A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

Motor City Pickups Afwayu

・ブティックピックアップ

海外のピックアップって日本では情報が少ないので、どうしても気になってしまって、ついつい買ってしまうんですよね。しばらく、使っていないピックアップがたくさんあるので、試してみることにします。ハンドワウンドピックアップといえば、ほとんどがP.A.F.レプリカですが、少しパワーのあるタイプを試してみたいと思います。メトロアンプとかフリードマンのユーザーに人気の高いMotor City PickupsのAfwayuを試してみました。 メーカーホームページの紹介文を少し訳してみました。

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・Motor City Pickups

モーターシティピックアップは、デトロイト市の中心部に位置し、カスタムメイドのスキャッターワインドピックアップを専門としています。クラシックブルースからエクストリームモダンメタルまで、さまざまな演奏スタイルに対応するために、ハムバッカー、P90、シングルコイルピックアップを4つの異なるカテゴリで提供しています。
モーターシティピックアップは、最高品質の素材を使用しています。安価な金属やワイヤーを使用してコストを削減しようとはしていません。他の企業のような廉価な材料は使用してません。モデルごとに異なる炭素鋼と鉄を使用して、トーンの結果を変えています。電磁鉄のキーパーバーとスラッグ/ネジ。ハードノーザンメープルのスペーサー。そして、カスタムメイドの本物の洋白カバー。「ソフトアイアン」という用語は誤解を招く可能性があるため使用していません。

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・Afwayu

16.1kΩの直流抵抗値、ヴィンテージカットアルニコ5、ヴィンテージワイヤー。この音の「火の神」は、協力にアンプをプッシュします。アフワユのハイゲインサウンドには驚かされるでしょう。このハムバッカーは、ハイゲインとローゲインのどちらにも対応するによう開発されました。ハイゲインでありながら、低域は適度な重さで驚くほど強力です。パンチの効いたミッドと素晴らしい倍音で、ハイエンドは、ピッキングアタックを忠実に再現します。コードワークでも本当に楽しく、深みと存在感があり、コンプレッションの少ない生っぽい質感が得られます。ハイゲイン設定でボリュームをロールバックした際の変化には、きっと驚くことでしょう。クリーンセッティングでは、モダンなブルースやクラシックなハードロックに最適であり、魅力的なヴィンテージトーンのままアンプをより自然にプッシュすることができます。アフワユは、個性的なデザインであり、多様性のあるピックアップです。

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・レビュー

アフワユは、線径の細いワイヤー(AWG44)を使った直流抵抗値値が16kΩ程度の、いわゆるJB系ピックアップになります。元々JBユーザーだったアリスインチェインズのジェリーカントレルが使用しています。JB系のピックアップとして試したことがあるのは、ディマジオのEVHモデル、アーケインのブルドーザー、サーのSSH+です。EVHモデルは、ミドルレンジにディマジオの特徴がありちょっとモダンなタイプ、SSH+は、JBのクセをやや弱めてバランスを重視したタイプに感じました。ブルドーザーは、ヴィンテージ色が強くJBとはタイプの異なるピックアップだと思います。アフワユですが、EVHモデル、SSH+と同じようにJBの改良系になると思います。どちかと言うとEVHに近いですが、モダンとヴィンテージの二面性を感じる面白いタイプのピックアップだと思いました。なかなか奥の深い感じで、結構気に入りました。モーターシティの名前通り、デトロイト自動車産業がさかんな街でしたので、金属加工も盛んだったのでしょう。細かな材料選定の差が、微妙なトーンの違いを生み出しているのだと思います。ハンドメイドの少量生産のピックアップですので、入手しにくい面はありますので、マニア向けな商品のように思います。

 

Fernandes Dog Fighter DF-1

・コロナ禍でのギターの売り上げ

エレクトリックギターが売れなくなっていると話題となったのは、3年ほど前でした。ところが、アメリカではコロナの影響なのか、ギターがかなり売れているようです。フェンダーは、史上最高の売り上げを記録しているようですし、ギターセンターでは「毎日がブラックフライデーのよう」と言う位売れているそうです。しかも比較的若い年代や女性の比率も高いそうです。

・Max Ostro

確かに若い人でめちゃウマな人が、youtubeにたくさんいますね。これなんか、ヴァイ本人?からのお褒めのコメントがありますが、本当に上手いですね。この少年、初めの頃は、昔のフェルナンデスのギターを使っていたりして、久しぶりにフェルナンデスのギターを弾きたくなりました。

・フェルナンデスのギター

今年は、コロナの影響で家にいる時間が長かったので、久しぶりにギターをいじったりしていました。元は、フェルナンデスの1ハムギターでしたが、このデザインが好きでに自分で塗装しました。ただし、80年台のフェルナンデス製のギターのネック状態が悪く、ほとんど弾いていなかったので、中古のネックを取り付けました。中古ネックの状態が比較的良く、少し調整するとそこそこの状態になりました。今後は、ピックアップのテスト用に使おうと思っています。

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・ラスタギター

オリジナルのギターは、大分前にドゥイージル ザッパにプレゼントされたようです。このギターを紹介している動画がありました。非常に重くて、〇〇がかかった跡があるとかw。パナマアウトテイクでは、エディはかなり乱暴に扱っているようなので、あまり気に入っていなかったように思います。

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・Fernandes DogFighter

オリジナルのラスタは、シャーラーのピックアップと思われますが、見た目が似ているのでFernandesのDogFighterをそのまま使っていました。ディマジオのX2Nをモデルとした高出力タイプです。今時、これに交換したいなんて人は少ないと思いますが、ディストーションタイプで80年台前半までのハードロックな雰囲気です。DogFighterは、80年台前半のハイパワーのフェルナンデスのオリジナルピックアップで、当時のカタログでは、以下のような解説がありました。

 

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「ハイスピードのフレーズを、よりスピード感のある強烈なサウンドに仕立て上げてくれるのが、このDOG FIGHTERだ。パワフルなディストーション、サスティーンは完璧なバランスを保ち、早いフレーズにおいても一音一音明確な、腰のあるサウンドを引出してくれる。それはツインバーによってあらゆる状況においても、均整のとれた磁界をサポートしてくれるからだ。ハイクオリティーなワイヤー、マグネットを採用、ハイパワー指向のコイルアレンジは驚異的なロングサスティーン、ハードディストーションを引出し、ステージにおいては強烈なドッグファイトを演じてくれるはずだ。」

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Farewell GOAT. Early VH Demos.

・GOAT

GOATとは、Greatest of all time(史上最高)を意味するようですね。最近は、あまり情報も無かったのですが、とうとうお別れの時が来てしまいました。史上最高のギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレン氏のご冥福をお祈りします。

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Youtubeでは、過去のデモ音源を聴くことができます。デビュー前のデモ音源としては、5つあると思われますので、それぞれチェックしてみました。リンクは貼りませんので、興味のある方は検索してください。

1)グリッターデモ(1973~74)

先日、初代ベーシストのマークストーンが亡くなったこともあり、初期のデモ音源を聴いていました。一番古いグリッターデモが、GlitterとGentlemen of Leisureで、73,74年ごろのマンモス時代と言われており、ベースはマークストーンと言われています。録音状態が、あまり良くないので、ベースの音はあまり聴こえません。

2)チェロキーデモ(1974)

次は、チェロキーデモで、74年の録音と言われています。ベースは、マイケルアンソニーのようです。3drアルバム収録曲の原曲等(Angel Eyes,Believe Me,Simple Rhyme,Take Your Whiskey Home)が聴けます。録音状態は、少し良くなっていますが、ギターの音は、以前と同じように感じます。

3)アンノウンデモ(1975~1976)

 その次が、アンノウンデモで収録場所(ハウンドドッグスタジオとも言われています)、時期とも不明です。その後アルバム収録曲の原曲等(Babe Don't Leave Me Alone, Fools,Ice Cream Man,She's The Woman, Woman In Love)が、収録されています。ここまでは、おそらくフェンダーなどの小型コンボにギルドか、その他のファズを使っているように思われます。

4) ジーンシモンズデモ (1976)

 ジーンシモンズデモ は、かなり完成度が高いですし、録音状態も良いです。その後のアルバムの原曲が多いですが、アレンジが少し違ったりします。アーミングが無いので、全てアイバニーズのデストロイヤーを使っていると思われます。この頃は、ブースター(ファズ)+マーシャルアンプと言ったところでしょうか。オリジナルテープがあるのなら公式に発売してほしいところです。

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5)ワーナーブラザースデモ (1977)

ワーナーブラザースデモ は、1stアルバムのレコーディング直前ですので、機材類は、1stとほぼ同じでしょう。アレンジ等完成度は高いので、デラックスエディションのボーナスディスクでの発売が期待されます。

EP14 Powerboost Overdriver

・パワーブースト/オーバードライバー

あまり情報の無かったカラーサウンドのパワーブースト/オーバードライバーでしたが、デジマートのディーパーズヴューで特集されていました。いつもながら村田さんの解説は、わかりやすいですね。流石です。とても参考になりました。

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・ブラウンサウンドとしてのブースター

もともと初期ブラウンサンドは、ユニボックスのエコーをブースターとして使っているらしい。ユニボックスのブースター部は、カラーサウンドのオーバードライバーと似ているらしい。そんな噂を聞いて、初めて試したファズ系ペダルが、スローバックのオーバードライブブーストでした。スローバックのオーバードライブブーストですが、ブースターとしてアンプをプッシュするパワーブースト的な使い方をしてもオーバードライブをブースターとして使った時のような帯域のけずれも無く、ダイナミクスも失わない。激しく歪ませてもアタックがつぶれず、ギターのボリュームを絞ればクリーンまで段階的に変化する。それまでの真空管アンプ直派の概念を一瞬で打ち砕く素晴らしいブースター/オーバードライブでした。初期ブラウンサウンドが得られかどうかですが、かなり近付くことは出来ますが、それでもほんの少し届かないかなと言うのが、率直な感想です。

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・スローバック・オーバードライブブースト

パワーブースト/オーバードライバーのコピーモデルで、当時評価の高かったスローバック社のオーバードライブブーストでした。今回の動画で実物のサウンドを聞くことができましたが、かなり本物に近いヘッドルームの大きいタイプで、それでいてゲインのコントロールもし易いものでした。ブースターを追加することでよりファズに近いサウンドも得られますし、値段が高いのを除けばベストではないでしょうか。このデモ動画も完成度が高いですが、元ネタの曲がわかる70年台ロック好きの人なら、きっと気に入ると思います。

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・プリスクリプション/RXオーバードライバー

次に試してみたのが、プリスクリプションのRXオーバードライバーでしょう。こちらは最近、再発売になっているようです。初期モデルでの感想ですが、ゲインが最大レベルで急激に変化する感じは、かなり本物に似ていると思いました。歪みの質は、あまり好みでは無いのでブースターとしてアンプをプッシュする使い方が良いと思います。

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・パワーブースト/オーバードライバーのレプリカ

その他、現在比較的入手しやすいレプリカとしては、マンレイサウンドものがあるようですが、所有したことはありません。パワーブースト/オーバードライバーのレプリカは、国内では人気は低いですが、海外のペダルビルダーには人気があるようで、いろいろなメイカーからパワーブースト/オーバードライバー関連のペダルは発売されています。但し、製造数は少ないので入手は少し難しいものもあります。今回、久しぶりにパワーブースト/オーバードライバー系ペダルを試してみましたが、ファズ、ブースター、オーバードライブとは似て非なるもの、ファズの一歩手前と言った感じで他に替わるものが無い素晴らしいペダルだと思いました。他にも何台か所有していますので、またの機会に紹介したいと思います。

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Fender The Game of Thrones Sigil Collection

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Youtubeでスティーヴヴァイのギターコレクションを見ていたら、とても気になるギターがありました。

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フェンダー社のゲームオブスローンズのギターです。ゲームオブスローンズを見たことが無いのですが、登場するキャラクターに合わせて3種類のモデルがあるようです。

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ヴァイさんのギターは、 ジャガーをベースとしたラニスター家のモデルのようです。アルダーボディに24金の装飾をした非常にゴージャスなギターです。こちらのジャガーは、3万ドルだそうです。ちなみにストラトは3万5千ドル、テレキャスターは2万5千ドルだそうです。

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製作しているのは、ロンソーンと言うビルダーです。もともとソーンギターとして、評判は高かったのですが、フェンダー社から声をかけられプリンシパルマスタービルダーと言うギター製作の分野全体の最高峰となりました。ロンソーンのギターは、クラフトマンシップの高さだけではなく、個性的なギターを造ることでも有名でした。フェンダー社は、90年以降ヴィンテージのリイシューばかりでしたので、もう少し新しい風が欲しくてロンソーンに声を掛けたように思います。

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こちらは、7万5千ドル!
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こちらは、6万ドル。プレミア価格とは言え、新品でこの価格ってすごいですね。

Marshall Bluesbreaker Amp

1963年にマーシャルは、フェンダーベースマン(5F6A)を参考にJTM45を発売します。当時は回路と基板がほぼ同じなので、パーツの並びがほぼ同じなんですね。

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当時のユーザーとしては、ザフーのピートタウンゼントが有名です。大出力とフルスタックは、ピートの要望とも言われてます。初期のザ・フーは、ルックスもサウンドも別物ですね。マーシャルのブロックロゴが、かっこいいですね。ピートは、基本はクリーンで歪みはファズのようですが、その後ハイワットがメインとなります。

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1964年の終わりから1965年に1961アンプを発売します。10インチスピーカー4発でボードも薄く、軽量とのことです。やがて、ヴォックスのAC30に対抗するため、12インチスピーカー2発の1962に進化します。このアンプが、有名になるのは、1966年6月発売のブルースブレイカーウィズエリッククラプトン、通称ビーノアルバムで使われていたからです。そのため、ブルースブレイカーモデルと呼ばれています。レスポールとマーシャルの組み合わせ、そして真空管オーバードライブサウンドの元祖と言ってもよいかと思います。未聴の方は、ギターサウンドのリファレンスとして聴いた方が良いと思います。 

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アルバムジャケット裏の写真は1962のようですが、1961モデルも所有していたようです。どちらでレコーディングしたかは不明ですが、かなりの大音量でレコーディングしマイクをかなり離してレコーディングされたと言われています。また、ダラスレンジマスターをブースターとして使っていたとも言われています。真空管アンプでボリュームを上げて歪ませるのは、それ以前からあったと言われていますが、オーバードライブと言えるような本格的な歪ませ方をしたのは、クラプトンが最初のように思います。レコーディングされた時は、トーンベンダーもあったのですが敢えてアンプのボリュームを上げたのでしょう。その後、クリームではファズも使うのですが、その後チャンプをボリュームを上げて歪ませることになります。ボリューム上げるのがよっぽど好きなんでしょう。

なんで急にマーシャルの話をしたかと言いますと、この動画を見たからです。非常にレアなファーストエディションです。オーバードライブとしては、理想的な音だと思います。世界初のオーバードライブペダルのBOSSのOD-1は、開発者によるとマーシャルアンプの歪みを目指したとのことです。70年代ハードロッカーは、マーシャルを使っていてもブースターやファズを使っている場合が多かったため、当時は歪みが少ないと評判はあまり良くなかったと聞きます。

 

ハムバッカーの発明

 ・ハムバッカーの発明

2つのコイルでハムをキャンセルするハムバッキングコイルは、スピーカーやマイクロフォン向けに1930年台に発明されます。楽器向けのハムバッキングピックアップの特許(USRE20070)は、1935年にレスティ(Arnold Lesti)さんによって発明されます。こちらは、コイルを横に並べており、現在のハムバッカーとほぼ同じ外観ですが、弦の方を着磁し、ポールピース側は金属となっています。

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・スタックハムバッカーの発明

1938年にクノープラウホ(A.F. Knoblaugh)さんは、スタックタイプのハムバッカーの特許 (US2119584)を発明します。実際にはピアノ(電子オルガン)用だったようですが、非常に完成度が高く、現在でもそのまま通用しそうに思われます。エレクトリックギターが、普及し始めるのは1940年~50年台です。1938年は昭和13年ですので、これらのアイディアは、時代を先取りしすぎていたのかもしれません。

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・ハムバッカーの実用化

1950年台になるとフェンダー社が、ソリッドボディのエレクトリックギターを販売を始め、市場も活発になってきたのでしょう。ギブソン社やグレッチ社は、新参のフェンダーに対抗するため、真新しい技術が欲しかった。そこで目を付けたのが、ハムバッキングのピックアップだったのでしょう。ギブソンの特許図を見るとドッグイア―タイプのP90と互換性を意識しているようにも見えます。ギブソン、グレッチともにスタックタイプではなく横並びタイプとした理由は、もちろん分かりません。スペース的な制約もあったかとは思いますが、フェンダーのシングルコイルと見た目で差別化するため、ダブルコイルであることを強くアピールするため、横並びの構造を選んだのではないでしょうか。
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・特許出願中

ギブソン社もグレッチ社も同じ頃にハムバッカーを発売します。ギブソンのハムバッカーP490に特許出願中(Patent Applied For)のステッカーが、貼られていたのは有名ですが、グレッチのフィルタートロンも同様に表面にPatent Applied Forと刻印されています。両者とも横並びのダブルコイに特許出願中の文字、よほどフェンダー社への対抗意識が高かったのではないかと想像されます。特許を取るのは宣伝目的だと考えるのは、クノープラウホさんの特許は、1955年6月7日に期限切れになっていたので、わざわざ特許を取らなくてもハムバッカーを作ることは可能だったからです。

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・特許取得争い

グレッチもギブソンも両方ともハムバッカーの特許を取得しています。どうして同じ特許を2社取得できたのでしょう。それは、取得した特許は、ハムバッカーの基本特許では無く周辺特許だからなのではないかと思われます。セス・ラバーさんは1955年6月22日に出願、1959年7月28日特許(US2896491)を取得しています。レイ・バッツさんは1957年1月22日に出願、1959年6月30日特許(US2892371A)を取得しています。出願はセスさんの方が早いのですが、取得はレイさんの方が早かったのは有名な話です。特許の明細を詳しく見ていませんが、細かな部分に関する特許なので、特許性が判断しにくく、審査に時間を要したのでは無いかと思われます。

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・その他のハムバッカー

レオ・フェンダーもハムバッカーの特許を取得しています。基本的には、シングルコイルの延長線上のように思われます。レオさんは、きっとハムバッカーの音はあまり好みでは無かったんじゃないでしょうか。ハムバッカーの効果は、当時はそれほど受け入れられず、グレッチもギブソンとも値段が高かった事もあり、フェンダー社のギターの方が多く売れていたようです。

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ギブソンのハムバッカーの特許は、1976年7月28日に期限切れとなります。それ以降、セイモア・ダンカンは、ピックアップ販売を本格化していきます。ディマジオやビル・ローレンスは、形状が少し異なるので特許に抵触しないのでそれ以前から販売していたのではないかと思われます。米国の特許については、Googleで中身を確認できますので、興味のある方は、ググってみてください。話は変わりますが、フィルタートロンとか、ゴールドフォイルのギターって一度、弾いてみたいですね。