A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

EP18 Dallas Rangemaster Treble Booster

・ダラス・レンジマスター 

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オーバードライブやディストーションが無く真空管アンプにもマスターヴォリュームがない時代には、ボリュームを上げずにアンプを歪ませるためにブースターを使う方法が一般的でした。ただし、その方法ではアンプの故障が多く、練習スタジオのギターあんぷに「ブースターを使わないでください」と張り紙があったとも言われています。

・ハードロックギタリストとブースター

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クラプトンは、マーシャルにレンジマスターを使っていたとも言われていますが、ロリーギャラガーのストラト+レンジマスター+VOX AC30なんかは、とても良いサウンドだと思います。ハードロック系ですとトニーアイオミが、レイニーのアンプに使っていました。ただし、レイニーは故障が多いのでマーシャルに変えたと言われています。また、ジューダスプリーストのグレンティプトンもメーカー不明のトレブルブースターを使っていたようです。リッチーブラックモアも初期にトレブルブースターを使っていたようです。ジョージリンチも1stアルバムのレコーディングは、レンジマスターを使っていたとも言われています。初期のエディのアンプが良く故障していたのは、ブースターを使っていた可能性もあるでしょう。

・トレブルブースターとオーバードライブの違い

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80年代以降は、オーバードライブをあまり歪ませずブーストする方法が主流となり、レンジマスターのようなトレブルブースターは、あまり使われなくなっていきます。トレブルブースターに明確な定義はありませんが、レンジマスター系のトレブルブースターは、増幅にゲルマニウムトランジスタを使っているのがほとんどです。もちろんオーバードライブは、ほとんどが増幅にOPアンプを使っています。ゲルマニウムトランジスタは、微妙にクリップしているのか独特の音色はあります。OPアンプとシリコントランジスタは基本的には同じですから、シリコントランジスタのトレブルブースターにはあまり存在しないのだと思います。もちろん、周波数域も異なりますが、こちらは機種によって違いますので、ゲルマニウムトランジスタを使っているのかどうかが、大きな違いだと思います。

・トレブルブースターのレビュー

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ゲルマニウムトランジスタのトレブルブースターを使う際に使う際に注意すべきなのは、乾電池を使うことでしょう。ゲルマニウムトランジスタは、ほとんどがPNPタイプと呼ばれるもので、回路はポジティブグラウンドになります。たまにACジャックの付いたブースターもありますが、普通のエフェクターはネガティブグラウンドなので混在させることはできませんのでアダプター(パワーサプライ)を別にする必要があります。センターマイナスかセンタープラスかとは、全然別の話です。トレブルブースターのレビューですが、単体ではほとんど歪みませんので、歪みに関してはアンプ側の特性によります。ブースターは、機種によって音域が異なりますのでこちらもアンプとの相性によるとしか言いようがありません。一般にダラス・レンジマスターは、イギリス製のアンプであるマーシャルやVOXのアンプとの相性が良いと言われています。 オーバードライブをブースターとして使った場合の比較で言いますと、音域が異なる点とゲルマニウムトランジスタの味が加わりますが、この感じは体感してみないと分からないと思います。また、アッテネーターと使う場合に比べてブースターの味が加わりますので、古いロックの好きな方でしたこちらの方で家で音量があげれない場合、選択肢の一つだと思います。初期ブラウンサウンドの可能性の一つではありますが、やっぱり歪みが足りないように思います。