◇Marshall JCM 800
マイケルシェンカーが、マーシャルのJCM800を使い始めたのは、ロビンマッコーリーが参加してからのことでした。JCM800は、UFO時代のマーシャル1987のトーンをモデルにしたとも言われています。ここで疑問に思うのは、UFO時代のトーンを再現するならマーシャル1987で良いのではないか。言い換えるなら、マーシャル1987単体ではUFO時代のトーンは再現できないのだろうか。
◇Marshall 1987
UFO時代のマイケルは、JPM50(1987)の他、JTM50も使っていたようです。両方とも50Wのアンプで100Wのアンプに比べ歪みやす人気があるようです。確かにPhenomenon(現象)の頃は、ナチュラルなオーバードライブサウンドでアンプ単体でも再現可能なように思いますが、Force It以降、どんどん歪みは増えアンプ単体で再現するのは難しくなっていきます。Lights Outなんかは、かなりファズっぽいサウンドですので、ブースターを使っているのではと以前から考えていました。ネットで検索していたところ、UFOのレコーディングに立ち会った方によるとマイケルは、2つの歪みペダルを使っていたとの情報を目にしました。
◇Colorsound Overdriver
一つ目は、カラーサウンドのオーバードライバーです。正直、ああやっぱりかと思いました。50Wのマーシャルとオーバードライバーの組み合わせと言えば、ジェフベックにアランホールズワースですからね。恐らく、ジェフベックの影響で70年代のイギリスでは、鉄板の組み合わせだったんでしょう。オーバードライバーは、単体ではほとんど歪みませんからブースターとして使っていたんでしょう。Force It、No Heavy Petting辺りなら再現できそうにも思います。
◇Vox Tonebender V828
二つ目は、ヴォックスのトーンベンダーです。マイケルは、JENのワウを使っているので有名ですから、JEN製のトーンベンダーV828、時代的にはブラックの筐体の物が思い浮かびます。オーバードライバーに比べると大分歪みますが、Lights Out、Obsession辺りは少し難しいかもあるいはワウやオーバードライバーと組み合わせていたのかもすれません。ただし、V828がいつまで販売していたかは気になるところです。
◇Vox Tonebender MARK III
マイケルが、70年代半ば以降に入手したとすると、トーンベンダーMK3タイプの可能性の方が高いように思います。この黒い筐体タイプは、割と長く販売されていたようで中古もそこそこ見かけます。VOXのMK3タイプは、ゲルマニウムとシリコンがありますが、時期的に考えるとシリコンのように思われます。という訳で半信半疑でシリコン版でテストしてみましたが、かなり近い感じですね。Lights OutとUFOライブのギターサウンドは、昔から好きだんたんですが、今までで一番近付いたような気がします。ちょっとローが強いように思いますが、ワウと組み合わせると少し改善するかも知れません。当時の映像を見るとヴォリュームノブを良くいじっていますが、少しヴォリュームを絞った方が、より雰囲はでます。トーンベンダーMK3を初めて試した時、どこかで聞いたことあるように感じたんですが、ゲイリームーアかなと思ったんですが、マイケルもだったんのかも知れません。因みにマイケルシェンカーグループ以降のスタジオ版を聞き直してみますと、MXRディストーションプラスを使っていると言う説も意外と正解かも知れません。