A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

EP16 Tonebender Mk III

・ファズとオーバードライブ

ファズ、ディストーション、オーバードライブを回路で分けるのは簡単ですが、歪みのレベルで分けた場合、ブルースドライバーのようにオーバードライブなのにファズの回路の例もあったりします。例えば、D*A*Mの別ブランドEmanating Fist Electronicsのトーンベンダーは、スーパー・アルファ・オーバードライブと言ったりします。また、IbanezのOD-850は、ビッグマフ系の回路ですがオーバードライブと言う名前です。オーバードライブかどうかはメーカーの呼び名に従うと言うなら、トーンベンダーもビッグマフもオーバードライブと言ってもいいことになります。

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・トーンベンダーMK3

1968年の発売のトーンベンダーMK3は、別ブランドも含め、長い期間売られていました。中古でもそれなりに見かけますので、当時はそこそこ売れていたのではないかと思われます。マーク3は、マーシャルを歪ませた音に似ているとも言われますが、70年代ハードロッカーはかなり使っていて、マーシャルの歪みなのか、トーンベンダーの歪みなのかは、実は良く分かってなかったりします。トーンベンダーマーク3を使っていたと思われるのが、70年代のゲイリームーアです。シンリジーのライブなどを見ると、足元にトーンベンダーがあるように見えます。基本的に70年代のブリティッシュハードロックは、ほとんどがMK3っぽいサウンドです。

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・Tonebender Mk III

トーンベンダーMK3は、70年代ハードロック的で耳なじみがあるためでしょうか、ペダルビルダーにも人気があります。JHSの人もMK3が好きなようですし、FulltoneのSoul BenderもMK3ベースのようです。オリジナルのマーク3は、シリコンもトランジスタもあるのですが、レプリカは、ほとんどゲルマニウムです。ファズフェイスですとシリコンも人気がありますが、マーク3に関しては人気が無いようです。まあ、トーンベンダーも人気が無く、マーク3もその中では人気が無いので、そもそも需要が少ないからでしょう。せっかくなので、高級メーカーのピグドッグ製のレプリカJUJUを入手しました。非常に高級感のある仕上がりです。

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・Pijdog Pedals JUJU

ゲルマニウムのマーク3ですが、単純にマーク2にトーンが付いただけでは無く、歪みの質感も少し滑らかなように感じます。マーク2は、ローがそれなりにあるのでハムとの相性はそれほど良くないのですが、マーク3はトーンがありますので、割とどんなギターとも合うと思います。70年台のロックギタリストは、ミニハムの付いたレスポールデラックスやP90の付いたSGとかレスポールなんかを使っている人も多かったですし割とギターを選ばないタイプのように思います。この独特な感じが、とてもブリティシュハードロックな感じがしますので、クラシックロック好きなら気にいると思います。

トーンが付いているのでビッグマフに近いのかな?とか、シリコンのマーク3とかスーパートーンベンダーとかどうなの?とか、いろいろ気になるのがファズ沼の怖いところでしょうか。