A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

EP13 Tone Bender Sound

ブティックペダルで大成功をおさめているJHSペダルのジョシュさんは、最近ファズに注目しているようです。昨年は、1966シリーズとして、トーンベンダー1.5, イタリアンベンダー、レンジマスター、ファズフェイスを限定で製作、今年からはレジェンドシリーズとしてレプリカモデルを製作するようです。ファズといえば、ファズフェイス、ビッグマフでしたが、近年、注目されているのがトーンベンダーです。トーンベンダーとは、どんなエフェクターなのでしょう。ジョシュさんが、ロンドンのショップ、マカリスを訪問した動画を見てみましょう。

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• 1965 Mk I Tone Bender
こちらは、大変貴重なオリジナルのマーク1です。マエストロのファズと比べるとSAG感はかなり少なく、モダンハイゲインに通じる強烈なオーバードライブサウンド、初期ブラウンサウンドともにていますね。これが発売される前は、完全なクリーンサウンドだったので当時の人は、本当に驚いたことでしょう。ミドルが少し弱く、基本的にラウドとのことです。ギターのボリュームを絞るとSAG感(ベルクロ感)がでます。50年以上前のデザインですが、今でも十分使えるサウンドが得られる驚異的なペダルでしょう。

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Sola Sound 'Goldie' Tone Bender by David Main
こちらは、通称1.5と呼ばれるタイプです。基本的にはファズフェイスと同じ回路です。もともとは、VoxのディストーションブースターV816の回路です。ゲインはそれほど高くないですが、歪みは粗く感じます。ボリュームの追従性は良いです。ファズフェイスに比べるとローが少なめに感じます。レスポールにも使えるファズフェイスって感じでしょうか。ペダルショーの方も相当気に入ったようです。

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 • 1965 Range Master Fuzz Bug

 こちらは、レアなレンジマスターファズ。恐らくファズフェイスのプロトタイプ的なモデルだと思われます。回路は、ファズフェイス、トーンベンダーマーク1.5と同じようです。マーク1.5に比べると粗めの歪みです。

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• 1965 Sola Sound Professional MKII
マーク2は、マーク1.5の改良版です。マーク1.5と比べると歪みのレベルは高まっていますが、歪みの質は柔らかめでディストーション的です。ペダルショーの方は、数多くのディストーションペダルを試したが、これがベストのディストーションだと絶賛しています。 

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Sola Sound MKIV Tone Bender

JHSペダルのジョシュさんのお気に入りが、このマーク4です。初めてトーンが付いた歪みペダルではないかと言われています。そのトーンが付いたことによりよりディストーション的に使いやすくなっています。理想的なビッグマフとのことです。なかなかトーンベンダーシリーズのサウンドをまとめて聴く機会は無いので、参考になります。ジョシュさんによるとトーンベンダーのレプリカは非常に高価ですが、MXRやBOSS以降の量産ペダルが失ったアートがある、2倍の値段をつけた方がいいとのことです。現在のペダルはやや飽和状態、高価でも売れるファズは狙い目と考えているのかもしれません。ペダルショーの方の興味はファズに移りつつあるようです。

さて、たまには、おすすめの音楽の話でも。暑い季節には、エアコンの効いた部屋でジャズを聴くのもいいです。スウェディッシュデスメタル、ヨナスエルボーグ(ショーンレイン)とスウェーデンつながりで、エスビョルン・スヴェンソン・トリオなんかはいかがでしょうか。本当に美しい音楽ですね。