A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

Michael Schenker’s Flynig V

マイケルシェンカーは、今年でアルバムデビュー50周年だそうです。マイケルといえば、ギブソンフライングVなので、ピックアップはTトップのはずです。有名なマイケルの白黒フライングVは、メダリオンを色を塗り替えながら使用していたと言われていますが、UFO時代には10本のフライングVを所有していたとも言われています。今回は、色違いも1本としてUFO時代のマイケルのフライングVを調べてみました。

◇UFO(June 1973)

#1,メダリオン・メダル無し(チェリーレッド)

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マイケルが、イギリスに渡ったのは73年6月のこと。このドイツのテレビショーは、74年5月発売のフェノメノンのレコーディングの前と考えると73年後半頃かと思われます。そうするとUFO加入時に新たに購入したと言われるVではないでしょうか。このVは、ごく少数作られた73年製のメダリオンの追加オーダー分のため、限定のメダルが付いていないのではないかと思われます。シャーラー製ペグ、ピックアップカーバー無し、エスカッション付きの仕様。ノブのソンブレロは、オリジナルでしょう。

◇Phenomenon(May 1974)

#2,メダリオン(塗装剥がし)

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<ドン・カーシュナーズ・ロック・コンサート出演時のメダリオン。ルドルフから借り、ネックとボディを削ったと言われるギターと思われます。フォースイットの裏ジャケットに写っているのは同じギターでしょう。シャーラー製ペグ、ピックアップカーバー無し、エスカッション付きの仕様。ノブは、ソンブレロです。#1との違いは、メダルの有無ですが、別個体のように思います。

◇Force It (July 1975)

#3,2ndリイシュー(ブラック)

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フォースイット(75年7月)のツアー、75年12月のロンドンのライブと思われる黒のフライングV。#1または#2をリフィニッシュした(塗装が雑に見える)と言われていますが、74年製の2ndリイシューとの噂もあり(ペグがメタルクルーソンのようにも見える?)。黒のピックガードとトラスロッドカバー(Gibsonロゴ有り)は、GIBSONの純正品だとするとやはり特別仕様で新規に購入でしょうか?シャーラー製ペグ、ピックアップカーバー無し、エスカッション付きの仕様。ノブはストラト用かも。後の白黒Vのネックの可能性もあり(黒のトラスロッドカバーを流用?)。

◇No Heavy Petting (May 1976) 

#4,1stリイシュー(チェリーレッド)

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撮影時期不明ですが、ノーヘヴィーペッティングの頃でしょうか?ストラップは、この頃からギブソン製になるようです。67年製と言われるチェリーレッド(メタリックレッドのようにも見えます)。ピックアップカバー、アームユニットはそのまま。何故かエスカッションは、ブリッジ側のみ。ノブはソンブレロがオリジナルで黒のソーサーノブは交換したものでしょう。メインの白黒のVのボディの可能性もあり(白のピックガードを半分流用?)。

◇Lights Out (May 1977) 

#5,1stリイシュー(ブラック)

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1977年のライブ。恐らく、ライツアウト発売(77年5月)後のツアーと思われます。#4を黒にリフィニッシュしたと思われますが、69年製の黒との情報もあります。#3とはトンガリヘッドと白のトラスロッドカバーで見分けがつきます。黒のピックガードは#3のものでしょうか?ピックアップカバーは外されていません。メインの白黒のVのボディの可能性もあり(黒のピックガードを半分流用?)。

#6,2ndリイシュー(ナチュラル)

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#7の白Vと同じ衣装なので(78年6月)頃と思われるナチュラルのセカンドリイシュー。この頃のナチュラルは、赤みが強いようです。

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セカンドリイシューは、メタル製のクルーソンペグが特徴です。

◇Obsession (June 1978) 

#7,2ndリイシュー(ホワイト)

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オンリーユーキャンロックミーのPVと同じ衣装なので、ほぼ同時期(78年6月)と思われます。黒のトラスロッドカバーは、#3のものでしょうか。ピックアップカバー無し、エスカッションあり。ノブは、ストラト用。ペグはメタルクルーソン?

◇Strangers in the Night (13–18 October 1978)

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#3の黒または#6のナチュラルを白にリフィニッシュしたと思われます。白の78年製は珍しく無いので、オリジナルカラーの可能性もありそうです。1stリイシューのピックガードなので#4か#5のボディに#3のネックを取り付けたとの説もあります。時期的には、この後メインの白黒Vになった可能性が高いでしょう。

◇メインの白黒V

色違いを別個体とするとマイケルのVを7本確認することができました。10本所有していたとするとアルバムを出す度に複数本、購入し、それほどリフィニッシュはしていなかったようにも思われます。そう考えるとメインの白黒Vもメダリオンのメダルを取って黒、白、白黒とリフィニッシュしたと言うのも本当かな?って感じです。しかし、78年製の白Vが、白黒Vだったと言うのは夢がなさすぎですね。74年製ネックと69年製ボディを組み合わせたと言う説は、ロマンがあっていいですね。

フライングVのピックアップ

67年に1stリイシューが発売、71年にメダリオンが限定発売、75年にカタログモデル(2ndリイシュー)として83年頃まで発売、83年にはメイプルトップのTheV、アルダーボディのFlying V 83が発売されます。79年から82年はFlying V2、81年にはヘリテイジモデルも発売されます。1stリイシューとメダリオンはステッカードT-TOP、2ndリイシューは、基本的に刻印T-TOPと思われますが、79年以降はスーパーハムバッキング(ベルベットブリック)を搭載との情報もあります(ブロックインレイの白黒Vは多分これ)。Flying V2は変形ピックアップ、ヘリテイジモデルはショーPAF、TheV、Flying V 83はダーティーフィンガーズと思われます。

Brandonwound T Top Humbucker

◇Brandonwound Pickups

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ブランドンワウンドを入手したのは、3年以上前だったんですね。大分前に取り付けていたんですが、レビューしたいと思います。

◇The Song Remains the Same

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ハードロック好きな人は、P.A.F.と言えばジミーペイジ、ゲイリームーアあたりをイメージする人が多いように思います。ジミーペイジファンの理想のトーンは、ライブで言うとロイヤルアルバートホール派とマジソンスクウェアガーデン派に分かれるようです。具体的には、ロイヤルアルバートホールの頃がP.A.F.期、マジソンスクウェアガーデンの頃がT-TOP期になります。個人的には『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』(The Song Remains the Same)が印象深かったので、マジソンスクウェアガーデン派です。ちなみにこの映画のDVDは2007年に豪華版が発売され、DVDと同じ音源のサウンドトラックも最強盤もリリースされていてます。ところが、この最強盤はオリジナルのCD(レコード)とは内容が異なっているので、マニアは両方を持っているようです。

◇How the West Was Won

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ジミーペイジが、ピックアップを交換したかは72年2月のオーストラリアツアーの頃と言われています。IVの発売が71年11月、聖なる館のレコーディングが72年1月から5月、6月のLAフォーラムの公演が、伝説のライブ(How the West Was Won)としてレコーディング。翌73年3月に聖なる館が発売、7月のマジソンスクェアガーデンで狂熱のライヴがレコーディングとなります。となるとP.A.F.時代は、スタジオアルバムで言うとIIからIV、T-TOP時代は、聖なる館以降のスタジオ盤と伝説のライブと狂熱のライヴのライブ盤になります。

◇JP-#1

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JP-#1は、72年以降のジミーペイジをモデルにしています。ですので、ネック側が'59クローンタイプ、ブリッジ側がT-TOPなので、ポジションごとに両者の違いが感じられて面白いです。なんとなく狂熱のライヴの雰囲気がします。T-TOPはつまらないとか、特徴の無い普通のピックアップと言われますが、クセが無いぶんファズとの相性は良いように思います。また、センターポジションでミックスにすると、性質の異なるピックアップの組み合わさった魅力的なトーンが得られます。T-TOPは、ローが薄くややトレブリーで出力も控えめですが適度なエッジ感があり、最近の個性的なピックアップと比べると、逆に新鮮に感じたりします。

◇T Top Humbucker

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ブランドンワウンドのT-TOPですが、ジミーペイジ、ジェフベックの雰囲気はあるのですが、マイケルシェンカー、ランディローズ、アンガスヤングとはどうもイメージが違う感じがします。考えられる理由は、T-TOPが時代によってトーンが異なる。あるいは、マイケルやランディのギターは、T-TOPでは無いことも考えられます。少し、気になったので少し調べることとしました。

Ep21 Michael Schenker

◇Marshall JCM 800

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マイケルシェンカーが、マーシャルのJCM800を使い始めたのは、ロビンマッコーリーが参加してからのことでした。JCM800は、UFO時代のマーシャル1987のトーンをモデルにしたとも言われています。ここで疑問に思うのは、UFO時代のトーンを再現するならマーシャル1987で良いのではないか。言い換えるなら、マーシャル1987単体ではUFO時代のトーンは再現できないのだろうか。

◇Marshall 1987

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UFO時代のマイケルは、JPM50(1987)の他、JTM50も使っていたようです。両方とも50Wのアンプで100Wのアンプに比べ歪みやす人気があるようです。確かにPhenomenon(現象)の頃は、ナチュラルなオーバードライブサウンドでアンプ単体でも再現可能なように思いますが、Force It以降、どんどん歪みは増えアンプ単体で再現するのは難しくなっていきます。Lights Outなんかは、かなりファズっぽいサウンドですので、ブースターを使っているのではと以前から考えていました。ネットで検索していたところ、UFOのレコーディングに立ち会った方によるとマイケルは、2つの歪みペダルを使っていたとの情報を目にしました。

◇Colorsound Overdriver

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一つ目は、カラーサウンドのオーバードライバーです。正直、ああやっぱりかと思いました。50Wのマーシャルとオーバードライバーの組み合わせと言えば、ジェフベックにアランホールズワースですからね。恐らく、ジェフベックの影響で70年代のイギリスでは、鉄板の組み合わせだったんでしょう。オーバードライバーは、単体ではほとんど歪みませんからブースターとして使っていたんでしょう。Force It、No Heavy Petting辺りなら再現できそうにも思います。

◇Vox Tonebender V828

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二つ目は、ヴォックスのトーンベンダーです。マイケルは、JENのワウを使っているので有名ですから、JEN製のトーンベンダーV828、時代的にはブラックの筐体の物が思い浮かびます。オーバードライバーに比べると大分歪みますが、Lights Out、Obsession辺りは少し難しいかもあるいはワウやオーバードライバーと組み合わせていたのかもすれません。ただし、V828がいつまで販売していたかは気になるところです。

◇Vox Tonebender MARK III

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マイケルが、70年代半ば以降に入手したとすると、トーンベンダーMK3タイプの可能性の方が高いように思います。この黒い筐体タイプは、割と長く販売されていたようで中古もそこそこ見かけます。VOXのMK3タイプは、ゲルマニウムとシリコンがありますが、時期的に考えるとシリコンのように思われます。という訳で半信半疑でシリコン版でテストしてみましたが、かなり近い感じですね。Lights OutとUFOライブのギターサウンドは、昔から好きだんたんですが、今までで一番近付いたような気がします。ちょっとローが強いように思いますが、ワウと組み合わせると少し改善するかも知れません。当時の映像を見るとヴォリュームノブを良くいじっていますが、少しヴォリュームを絞った方が、より雰囲はでます。トーンベンダーMK3を初めて試した時、どこかで聞いたことあるように感じたんですが、ゲイリームーアかなと思ったんですが、マイケルもだったんのかも知れません。因みにマイケルシェンカーグループ以降のスタジオ版を聞き直してみますと、MXRディストーションプラスを使っていると言う説も意外と正解かも知れません。

Wolfetone Timbre Wolf Humbucker

◆EVH Humbucker

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EVH関係のピックアップを色々と試したみましたが、アルニコ2に換装したオールドのダンカンカスタムが、ブラウンサウンド用ピックアップとしてベストのようです。また、P.A.F.レプリカも色々試して、ブティック系は値段が高いが、それだけの価値があることも分かってきました。では、ブティック系でP.A.F.レプリカではなく、カスタムカスタム(フランケンシュタイン)系は、どうだろうかと思いました。

◆Wolfetone Pickups

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ブティック系のピックアップメーカーは、ほとんどがP.A.F.レプリカが中心でワイヤ径が補足直流抵抗値が高めのモダン系、ハイパワー系をラインアップしているメーカーはあまりありません。ブティック系でハイパワーのピックアップは、モーターシティピックアップ、アーケインを持っているので、他のメーカーのものを検討しました。候補としては、最近、知名度上昇中、新進のPARAIAHも面白そうですが、P.A.F.レプリカでは老舗になりつつあるウルフトーンが良さそうです。ウルフトーンのドクターヴィンテージなんかは、海外のレスポール系サイトで評価が高いというか、P.A.F.レプリカの定番なんですよね。

◆Wolfetone Hot Humbucker

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ウルフトーンでモダン系のピックアップは、Grey Wolf、Timbre Wolf、Fenris、Blisterbuckerの4つです。Grey Wolfは、AWG42ワイヤでT-TOP系(ダンカン59とか)、BlisterbuckerはAWG44ワイヤでJB系のように思われます。今回試したいのは、AWG43ワイヤのFrankenstein(Custom Custom)系ですのでTimbre Wolf、Fenrisになります。ワイヤの巻き数(直流抵抗値)は、やや違いますが大きな違いは、Timbre Wolfはアルニコ5、Fenrisはアルニコ2です。Custom Custom系と考えればアルニコ2のFenrisですが、P.A.F.レプリカのウルフトーンのアルニコ5はヴィンテージP.A.F.により近そうな点、アルニコ2のDr.Vinatageを所有しているので今回はアルニコ5のTimbre Wolfを選択しました。

◆Wolfetone Timbre Wolf

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流石にブティック系ですので、量産品のダンカンやギブソンとは方向性の異なるトーンですね。改造カスタムよりは、少しホットですが、それでいてヴィンテージ感もあって良い感じですね。EVHフランケンシュタインをもっとヴィンテージ寄りにした感じですね。カスタムショップの78モデルは、割と似た感じですがもう少しスッキリさせたような感じですので、こちらは好みでしょうね(ダンカンのラフな感じも良いです)。ネックをDr.Vinatage、ブリッジをTimbre Wolfでも面白いかも知れません。

Suhr SSH+ Humbucker

 ◇JB系ハムバッカー

今年は、少しピックアップを色々試してみたいと思います。MusicmanのEVHギターのブリッジ用ハムバッカーは、JBをモデルにしたピックアップでした。P.A.F.レプリカは、昔色々試してみましたので、最近はハイパワーのものが気になってきました。JB系ハムバッカーは、Motor City Pickups Afwayu、Arcane Inc. Bulldozerとブティック系ピックアップメーカーのJBタイプを試してみましたが、EVH以上に印象が良かったです。Suhrのハムバッカーは評判が良いですが、使ったことが無かったので気になっていましたが、JB系と思われるSSH+は、ガスリー・ゴーヴァンが使っていたり、人気のモデルのようです。

◇Suhr SSH+ Humbucker 53mm

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Suhrのピックアップは、50mmと53mmの2種類がありますが、53mmはFスペースのようでした。色々調べましたが、ダイレクトマウントする場合は、関係無いですねw。サーのピックアップは、ダンカンとそれほど差は無いと言われています。実際に試してみるとダンカンに確かにかなり似たような感じですが、それなりに違いはあると思いました。これを僅かな差と感じるか、大きな差と感じるかは、個人によるでしょう。個人的には、かなりダンカンに近いですが、少し音域がフラットでバイト感が弱め、ほんの少しパワー控えめに感じました。バランスの取れた優等生で使い易いので人気があるのも当然だと思います。逆にキャラクターが薄めなので、昔のJBのアクの強いが懐かしくなりました。

◇Suhr Pickups

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サーのピックアップは、ダンカンやディマジオ等の量産メーカーのピックアップより値段は高めですが、ブティック系よりは安めです。ブティック系はヴィンテージ系が多く、サーはモダンな感じなので比較対象には無いように思います。量産メーカーと比べて、クオリティは高いと思いますので、割高には感じないと思います。

トレムバッカーとFスペースと53mm

 ◇53mm

Suhrのピックアップは、50mmと53mmの2種類がありますが、トレムバッカーなのかFスペースなのかついて調べてみました。

◇ノーマルハムバッカー

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・通常のハムバッカーは、ポールピースの間隔をギブソンタイプの弦間隔に合わせ50mm程度としています。

・通常のハムバッカーをフェンダー系やフロイドローズのギターに載せた際、ポールピースと弦の位置が1弦と6弦がずれてしまいます。これを解消するためににポールピースの間隔を52mm程度に広げたピックアップを、セイモアダンカンではトレムバッカー、ディマジオではFスペースと呼んでいます。

◇トレムパッカー

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・ダンカンのトレムバッカーは、ボビンのボールピースから外側の幅(余白部)が、通常のハムバッカーと同じです。そのため、ポールピース間隔が広くなったぶん(2-3mm)、ボビンの幅も2-3mm広くなっています。

・取り付けネジの位置は、通常のハムバッカーと同じですのでねじ孔はそのままでも大丈夫です。ボビンの幅が広いのでエスカッション、またはピックガードを少し削る必要があります。専用のエスカッションも販売されています。

・ピックアップカバーレスなら少し斜めにしてボビンの上側をかわして、エスカッションをコイルの位置にしてやれば、普通のエスカッションでも取り付けることができます。

◇Fスペース

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ディマジオのFスペースはボビンの幅は通常のハムバッカーと同じで、ネジ孔の位置も同じなので、そのまま交換することが出来ます。

・ポールピース間隔が2-3mm広くボビン幅はそのままですので、ボビンの外側の余白(巻き代)が2-3mm狭いことになります。これでは、ワイヤーの巻き数が多い場合、ワイヤーがボビンからはみ出してしまいます。ですので、ディマジオはモデルによっては、ワイヤーを巻くスペースを得るため、ボビンの背(高さ)が高くなっている場合があります。

◇53mm

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・Suhrの53mmスペースは、トレムパッカーなのかFスペースなのかですが、ほぼFスペースでした。今回購入したものは、カバー付きでしたが問題なくエスカッションに取り付けることが出来ました。多分、ダンカン以外のメーカーは、ほとんどFスペースなのでは無いかと思います。

・トレムバッカーとFスペース、53mmですが、ワイヤーはポールピースの外側に巻くことになりますので、ポールピース間隔が2-3mm広くなれば、1周で巻く長さも4-6mm長くなります。ですので、ワイヤーの巻き数がノーマルスペースと同じ場合は、直流抵抗値は高くなるようです。

Ep20 How to Find the Fuzz Pedal

◆ファズの選び方

従来は、ファズはごく一部のマニアだけのものでしたが、BOSSのTB2WやSNSの影響で一般的になってきているように感じます。しかし、ファズは種類が多く選ぶのが難しいように思います。JHSのジョシュさんによるとファズを選ぶには4つのタイプから選ぶと良いそうです。(と言っても4つとも自社製品の紹介なんですが。)

◆2トランジスタ・ファズ

 

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最初は、トランジスタが2つのファズです。2トランジスタのファズと言えば、ファズフェイス。それ以外だとトーンベンダーMk1.5とイタリア製トーンベンダーくらいです。ジミ・ヘンドリックスの他、ヘンドリックスの影響で多くのギタリストが使っています。2トランジスタのファズの特徴は、ファズにしてはそれほど歪みません。そして、ヴォリュームコントロールに敏感です。ファズフェイス使いのギタリストは、演奏時に良くヴォリュームコントロールしていますが、ヴォリュームではなく歪をコントロールしていると言ってもいいくらい変化します。また、ヴォリュームを絞った時のサウンドは、他では得難いと思います。ただし、回路がシンプルなだけに個体差が大きく、なかなか好みのものを見つけるのは難しいかもしれません。ハイインピーダンス設定ですので、ワウと使う順序によっては効きが弱くなったりと使いこなすのは意外と難しいように思います。

◆3トランジスタ・ファズ

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続いては、トランジスタが3つのファズです。このタイプは、マエストロのファズに始まり、トーンベンダー等、色々なファズがあります。ですので、3トランジスタのファズと言ってもどういう傾向の音は、説明できないでしょう。大きく分けると、マエストロに代表されるサイケデリックロック的なベルクロタイプのファズ、トーンベンダーに代表される70年代ロック的なディストーションに近いタイプでしょうか。一般的には、インピーダンスによる影響は小さく、ヴォリューム変化による歪の変化は小さいと思います。ただし、種類が多く選ぶのが難しい機種だと思います。

◆4トランジスタ・ファズ

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続いては、トランジスタが4つのファズです。これは、もうビッグマフしかないでしょう。スーパートーンベンダーも4トランジスタファズですが、音はビッグマフとほとんど同じです。また、古い国産のディストーションペダルには、ビッグマフの回路を参考としたものがいくつかありますが、商品名にファズと書かれているものは少ないようです。4トランジスタファズは、ファズというよりハイゲインディストーションと言っていいでしょう。ビッグマフは、クラシックロックではデビットギルモアが有名ですが、90年代のグランジとその影響を受けた現代風なファズですので、トーンベンダー、ファズフェイスとはユーザー層が結構違うように思います。

◆オクターブ・ファズ

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オクターブファズは、ロジャーメイヤーがジミ・ヘンドリックスのために作ったオクタヴィアが、最初と言われています。日本のシンエイ製のユニボックスのスーパーファズは、ピートタウンゼントの使用で有名です。残念ながら、オクターブファズはまだ試していないので音についてはよくわかりません。

◆ファズ探しの旅

ファズ探しの旅としては、ファズとしてビッグマフ、ファズフェイス(ゲルマ、シリコン)、トーンベンダー(mk1、mk1.5、mk2、mk3、italian、jumbo、super)の3タイプ、ブースターとしてレンジマスターとパワーブーストの2タイプの計12種類ほど試してみました。4タイプのファズの中では、スーパーファズ等のオクターブファズは今後試してみたいですね。ファズフェイスに関しては、もう少し試してみたいです。3トランジスタのファズは、シリコンのmk3かパワーブーストが好みですが、本当に種類が多く、マエストロのFZ-1A等のサイケリックなベルクロ系のファズ等、試してみたいファズが、たくさんあります。なかなか旅は、終わらないですね。