A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

Dimarzio HS-3 Pickup

Yngwie Malmsteen

イングヴェイマルムスティーンは、HS-3の使用で有名ですが、初期はFS-1を使っていたとも言われています。FS-1からHS-3に変更したのは、いつ頃なのでしょうか。

◇Dimarzio HS-3

HS-3の国内発売された頃の雑誌広告です。マーチングアウトが発売された頃のようです。トリロジーからHS-3を使っていると言われるのは、マーチングアウトの後に国内販売されたからなのでしょう。

「ドスーンと、腹にくる音がいいぜ。水をふくんだ、濡れた音もいいぜ。乾ききった、トゲトゲした音がいいぜ。ディマジオHS-3。イングヴェイ・マルムスティーンのために作られた高性能VERTICAL HUMBUCKING PICKUPだ。完成のウラ話をしようか。はじめ、プロトタイプを彼にあずけてロードテストをした。いやというほどレコーディングを繰り返し、公演にも、このPICK UPは必ず同行した。そこから、貴重な彼のアドバイスとデータが得られたんだ。我々は、さっそくこれを再デザインして、完璧なものを作った。彼もこれに惚れ込んだ。ま、ディマジオHS-3の高品質と成功のカギはこれだ。」

◇Dimarzio FS-1 or HS-3

90年代のディマジオのカタログにイングヴェイのインタビューがありました。

イングヴェイが、ディマジオのFS-1を使い始めたのはスウェーデンに住んでいた1977か78年のこと、HS-3を使い始めたのは1983年のことでした。FS-1は、スティーラーとアルカトラス(1983年10月リリース)のアルバムで、HS-3はソロアルバムのライジングフォース(1984年11月リリース)から使っていたとのことです。インスピレーション(1996年10月リリース)からはYJM(HS-4)を使ってるとのことです。

◇Dimarzio HS-3の特徴

ディマジオHS-3は、特殊な構造のため直流抵抗値23.7kΩとかなり高いですが、実際の出力93mVとかなり低いです(通常のシングルコイルのTRUE VELVETが130mV、高出力ハムバッカーのTONE ZONEが375mV)。スタック構造ハムバッカーの場合、通常のコイルに比べ2倍のワイヤーを巻く必要になります。そのため、かなり線径の細いAWG45(通常はAWG42)を使っているので抵抗値がかなり高くなっていますが、巻き数はそれほど多く無さそうですので、通常のストラトに近いサウンドが得られています。スタックハムバッカーにヨークを使うところが、ディマジオの特許になります。ダンカンのYJM FURYは、ヨーク無しなのでそこがトーンに影響を与えているのではないかと思われます。

◇Dimarzio HS-3レビュー

オーバードライブの歪み程度ですと、スタックハムではないヴィンテージ系のピックアップと比べると枯れた感じは弱いです。また、線径が細いので高域はロスしますし、ハム構造なので微妙な位相差で音が濁るので、少し物足りなく感じる人も多いのではないかと思います。ただし、ハイゲインセッティングにするとやっぱりイングヴェイっぽい音がするなあと思います。やはり、このピックアップは、イングヴェイファンのためのものでしょう。個人的にはネック側のトーンが好きなので、HS-4(YJM)は必要無いかと思います。