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ギターの弦は緩めるべきか?

◇ギターの弦は緩める・緩めないどっち?

ギター関係のネット情報を見ると、ギターの弦は緩める派と緩めない派があり、永遠テーマとも言われているようです。緩める派は「ネックがに力がかかり続けるのは良くない」、緩めない派は「何度も緩めると負担がかかる」と言ったところでしょう。

◇ギターネックの反りの原因

そもそもギターのネックは、なぜ反るのでしょうか?木材関係の情報サイトを見ると、木材の反りの原因は大きく2つあり、1つは含水率の変化、もう1つはクリープ変形とのことです。

◇クリープ変形とは?

木材の材料の特性としてクリープ変形が生じます。クリープ変形とは、力が加わった状態が連続すると変形が増加する現象です。ギターの場合、弦を張るとテンションにより順反り方向にネックが曲がりますが、時間が経てば経つほどネックがどんどん曲がって行くことを意味します。つまり、弦を緩めなければどんどんネックが反っていきます。クリープ変形を避けるためには弦は緩めた方が良さそうです。

◇弦はいつ緩めるのか?

木材のクリープ変形のグラフが以下になります。ネックは乾燥材ですので、弦を張って1mm順反り方向に変形したとすると100日も経てばネックの変形は1.7mmになります。ここで弦を緩めたとしても元の状態に戻ることはありません。グラフを見る限りほんの数日でクリープは発生していますので、ネックを順反りさせたく無ければ直ぐに緩めた方が良さそうです。100日も経つとその後はそれほど増えないので(ただし変形は止まることはありません)、ネックが反っても気にならない方なら緩めなくても大丈夫でしょう。

◇エレキとアコギとベースの違い

エレキは緩めなくて良いけどアコギとベースは緩めた方が良いと言う方もいます。それは、弦の張力とネックの長さで弦を張った時の初期変形の量が違うの理由だと思います。弦を張った初期状態の変形が小さければ、クリープで変形が生じたとしてもその影響は小さいからでしょう。ただし、程度の問題でエレキでもスリープは発生します。

◇カーボンネックとローステッドメイプルネック

先ほどのグラフでも乾燥材は、クリープ変形が小さいですから、乾燥していると言われるローステッドメイプルネックは、普通のネックよりクリープの影響は小さいかもしれませんが、木材ですのでクリープ変形は避けられないでしょう。スタインバーガー等のカーボン素材は、クリープ変形がありませんので、弦は緩めなくても良いでしょう(カーボンネックも反ると言われていますが、クリープとは別の原因なのでしょう)。

◇ギターの弦は緩めるべきか?

個人的には、高いギターは弾いたら直ぐ弦を緩めて保管していますが、安いギターは面倒くさいのそのままにして放置しています。緩めているギターは、ネックの反りはほとんどありません。緩めていないギターもそれほど反ってはいないですが、やや弦高が高くなっているように感じますし、古いギターはロッドが一杯のものが多いように思います。