A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

Seymour Duncan 78 Model Humbucker

◆Seymour Duncan 78 Model 

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セイモアダンカンの78モデルは、謎の多いピックアップでしょう。古くから、エディのピックアップと言われるダンカンのカスタム、カスタム・カスタム、現在のEVHフランケンシュタインは、同じようなスペック(直流抵抗値14kΩ程度)ですが、78モデルはそれらとはスペック(直流抵抗値9kΩ程度)が異なります。

◆The Duncan Custom (VAN HALEN)

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ダンカンの79年の雑誌広告にエディヴァンヘイレンモデルと紹介されていたのは、ダンカンのカスタムモデルでした。やはり、77年に1stアルバムのレコーディングした時は、P.A.F.を使う前でマイティマイトピックアップで有った。そして、そのレプリカモデルがダンカンのカスタムで広告ではカスタムをエディモデルとした。もうひとつ考えられるのは、78年の始め頃にP.A.F.をリワンウドし1stツアー、そして2ndアルバムをレコーディング。そのリワインドしたP.A.F.のスペックが、ダンカンのカスタムで当時は、アルニコ2が入手できなかったため、セラミックマグネットで代用した。

◆P.A.F. Double Creme

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78年の末にエディは、ダブルクリームのP.A.F.モデルをオーダーしています。そのピックアップをレプリカしたのが、78モデルと考えるのが妥当でしょうか。フランケンシュタインに一時的にダブルクリームのピックアップが使われていましたが、これがダンカンの78モデルのモデルとなったピックアップなのでしょう。

◆Specification

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恐らくこのダブルクリームのP.A.F.モデルは、多くのブラウンサウンド系ピックアップの基本となった約9kΩだったのでしょう。ネット情報ですが、78モデルの2つのコイルはほぼ同数に巻かれた、いわゆるシンメトリーワウンドとのことです。比較的近いピックアップとしてパーリーゲイツがあげられますが、78モデルはもう少しパワフルでダンカンの59っぽいバイト感があるように思いました。ダンカンのヴィンテージ系ピックアップは、ブティック系のP.A.F.レプリカに比べるとパワフルでゴツゴツした印象なんですが、このピックアップも同様な傾向でダンカンテイストがあると思います。本当のヴィンテージと言った雰囲気はあまり感じませんが、逆にブラウンサウンド感(パワフルなヴィンテージ)は強いでしょう。マニア的には、マグネットをアンティクイティのような磁力の弱いタイプにした方が、より雰囲気が増すように思いますが、普段ダンカンを愛用している人にはあまり違和感が無いのでは無いでしょうか。

◆Review

個人的には、ダンカンのピックアップは抜けが悪くレスポンスが悪いように感じあまり好きではなく、弾いた印象は正直いまひとつなのですが、録音を聴くとかなり本物に近いように感じました。ブラウンサウンドを目指すとしたらとても良いピックアップだと思います。いろいろ周り道するより、素直に最初にこれを買うのが賢明に思いますが、ブティック系P.A.F.レプリカにはそれでしか得られない世界もあり、その沼にハマるのもまた楽しいでしょう。