A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

歪みと倍音の関係

歪みとは、波形がクリップすることで、現象として倍音が増えるわけではありません。ただし、歪んだ波形を数値分析すると倍音の関数で表すことはできますので、数式上では倍音が増えることになります。実際に歪んだ波形を分析してみて、歪みと倍音の関係をみてみることにしました。
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対象としたのは、歪みの大きさを大小2種類とそれぞれ対称と非対称の合計4種類とします。
1)大歪みでの比較
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対称クリッピングは奇数次倍音のみ、非対称クリッピング倍音は奇数と偶数の両方となっています。
2)小歪みでの比較
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歪みレベルを小さくしても奇数と偶数の関係は、変わりません。
真空管の歪みは、非対称クリッピングで偶数倍音が多いから耳に痛く無いと言われています。確かに非対称クリッピングには、偶数倍音が含まれています。非対称の方が、数式的に複雑になるのは、当然でしょうか。
3)対称クリッピングでの比較
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奇数次倍音のみですが、歪みの大きさではそれほど違いはないように思います。歪みが小さい方が、原音の比率が高いのは当然でしょうか。
4)非対称クリッピングでの比較
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こちらも歪みの大きさではそれほど違いはないように思います。単純な波形での比較では、対称と非対称での違いは確認できましたが、歪みの大きさはそれほど違いがないという感じでしょうか。複雑な波形ほど、偶数の比率が高い傾向がある感じですが、結局、歪み波形のばいおんを比較してもあまり意味はないでしょう。