A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

EVH franken's P.A.F Part2

フランケンシュタインのピックアップを更に詳しくみて見ることにしました。

・ショートマグネット

f:id:Ed_hunter:20210101171655j:plain

f:id:Ed_hunter:20210101132456j:plain

フランケンシュタインのハムバッカーは、ギブソンのES-335のP.A.F.をリワインドしたピックアップと言われています。ES-335は60年代のものなので、ピックアップはショートマグネットの可能性が高いです。白/黒、赤/白/黒フランケンともに、マグネットのはみ出しがほとんど無いように見えますので、ショートマグネットの可能性は、やはり高いです。

・アジャスタブルポールピース

f:id:Ed_hunter:20210101132359j:plain

f:id:Ed_hunter:20210101132427j:plain

もう一つ気になるのは、白/黒期、赤/白/黒期とアジャスタブルポールピースの回転位置が、全て同じに見える点です。偶然とは思えないので、この2つは同じピックアップで再リワインインドはしていないと考えて良いでしょう。

フランケンシュタインのリワインド

f:id:Ed_hunter:20201231085221j:plain

フランケンシュタインのレプリカハムバッカーのコイルのワインドは、カスタム仕様です。赤/白/黒と白/黒が同じピックアップだとすると、1978年からカスタム仕様にリワインドしたと考えられます。白/黒が78モデル、赤/白/黒がカスタム仕様と考えていましたが、78モデルは何度かリワインドしたうちの一つか、ダンカンが提供したプロトタイプのうちの一つだったのかもしれません。

・レリック仕様

f:id:Ed_hunter:20201231085249j:plain

フランケンシュタインのレプリカハムバッカーは、かなりのレリック処理が施されています。フランケンのピックアップは、あまり削れていないように見えるのが気になる点です。

f:id:Ed_hunter:20210101132515j:plain

色々探してみますと(スタッドボルトがゴールドの時代)、本物もかなり使用によりすり減っているようです。フロイドローズに変更した時点で、かなりすり減っているようなので、シンクロトレモロ時に弦とピックアップの距離が近く、傷がついたと考えられます。

・クレイマー5150のピックアップ

f:id:Ed_hunter:20210101132537j:plain

f:id:Ed_hunter:20210101132615j:plain

5150のピックアップもショートマグネットのように見えます。外観がキレイなのでピックアップ自体は、新しいもののように思われます(スクエアウィンドーから見えるコイルの色もフランケンとは違うような感じがします)。ポールピースの回転位置は、フランケンとは異なりますので、ダンカン氏が、エディのために新たに製作したものなのでしょう。

ed-hunter.hatenablog.com

The Duncan Custom (Van Halen) Short A2 Mod.

・79年のセイモアダンカンの広告

f:id:Ed_hunter:20201226165147j:plain

ピートソーンさんの動画でも紹介されていますが、1979年(78年後半だったような)の雑誌広告にThe Duncan Customのところに括弧付きでVan Halenの名前があります。 1979年と言えば、Van Halenの1stアルバムが発売された翌年です。ソーンさんによるとリワウンドしたP.A.Fは、カスタムだろうとのことです。エディは、音が気にいるまで何回もリワウンドしたと言っていました。ダンカンの78モデルはいくつかリワウンドしたものの一つだったのでしょう。そして、最後にエディが選んだのがカスタムだったのでは無いでしょうか。

・The Duncan Custom (Van Halen)

f:id:Ed_hunter:20201226163430j:plain

かなり古いダンカンのカスタムです。Seymour Duncanの刻印の無い84年以前?のものです。SH5とかのナンバーが無い時代なので上の広告の名前のステッカーが貼れています。スタンプの色も何種類かあるようですが、色に意味は無いと言われています。また、Seymourized ステッカーは、ダンカン本人が製作したとも言われています。刻印以前は、オークションでもあまり見かけませんので、製造数もかなり少ないと思われます。恐らく奥さんと2人、もしくはごく少人数で製造していたのでしょう。ポッティング無しに網線シールドなので、かなり初期のものように思われます。

・フランケンのピックアップ

f:id:Ed_hunter:20170625164409j:plain

エディのP.A.Fは、60年代のショートマグネット仕様と思われます。また、写真をよく見るとマグネットがはみ出していないようにも見えます。

・ショートアルニコマグネット

f:id:Ed_hunter:20201228101156j:plain

ショートサイズ(2.36インチ)のアンポリッシュ(ラフキャスト)のアルニコマグネットを購入しました。上は90年代のダンカンのアルニコ5です。長さは、それほど短いわけではりません。60年代のショートアルニコはアルニコ5だけと思われている方も多いようですが、アルニコ2もあるようです。今回は、フランケンシュタインハムバッカー、78モデルと同じアルニコ2にします。カスタムのセラミックマグネットですが、上のアルニコ5と全く同じサイズで、厚さはダンカンのディストーションよりもかなり薄いです。セラミックマグネットをパワフルだと思っている方も多いですが、厚みが同じならアルニコ5と同じ程度の磁力に思います。ダンカンは、本当はアルニコ2を使いたかったけれど70年代には入手が難したったので、薄めのセラミックマグネットを代用したのでは無いかと思います。

フランケンシュタインと改造カスタム

f:id:Ed_hunter:20201226163418j:plainf:id:Ed_hunter:20201226163408j:plain

左がフランケン、右が改造カスタムです。写真の角度がちょっと違いますが、はみ出しが少なくなりました。ただ、本物はもっと短く見えます。実はもう少し押し込めたのですが、ちょうど真ん中の方が磁力のバランスが良いと思ったからでした。

・改造カスタムのレビュー

f:id:Ed_hunter:20201226163354j:plain

 フランケンシュタインハムバッカーの載ったギターに改造カスタムを載せてみました。改造カスタムの印象ですが、そんなに違いは感じませんでした。 直流抵抗値もほとんど同じでしたので、コイル巻き数は同じなのでしょう。ただし、今回購入したショートマグネットは、 フランケンシュタインよりも磁力がかなり弱いようですので、もう少し枯れた感じでボリュームの反応もちょっと良いように感じますが、アンプのセッティングで調整できる範囲だと思います。ただし、70年代にダンカン本人が巻いたピックアアップ、P.A.Fに近いマグネットをマウントしていると思うと気分は高まりますねw。

ed-hunter.hatenablog.com

EVH Frankenstein Humbucker

・EVHフランケンシュタインハムバッカー

エディ所有のフランケンシュタインに載っていたリワインドしたPAFハムバッカーをモデルとしたEVHブランドのハムバッカーです。裏のラベルを見ても明らかなように実はセイモアダンカン製と言われています。リード線は、4芯ではなくシールド網線となっています。ベースプレートはショートレッグなのは残念な点ですが、いろいろなギターに載せることを考えたためでしょう。マグネットサイズが、ロングサイズなのはサウンド的にも見た目的にも気になるところです。仕様は、ダブルブラックのボビン、ポールピース間隔は標準サイズのみとなります。

f:id:Ed_hunter:20200201220946p:plain

・直流抵抗値と出力の関係

このピックアップの直流抵抗値は、14kΩ程度です。単純に8kΩのピックアップの1.75倍(14/8=1.75)の出力がある訳ではりません。と言うのは、出力と関係するのはコイルの巻き数だからです。

同じ種類のワイヤーどうしであれば、直流抵抗値とコイルの巻き数は比例するので、直流抵抗値と出力は比例するでしょう。PAFレプリカ系にピックアップに使われている線径AWG42のワイヤーは、ボビンいっぱいに巻いても10kΩ程度が限界です。直流抵抗値14kΩのフランケンシュタインハムバッカーは、AWG42を巻いてより線径の細いAWG43のワイヤーを使っています。つまりコイル線径が異なれば、直流抵抗値とコイルの巻き数とは比例しませんので、直流抵抗値と出力は比例しません。

 f:id:Ed_hunter:20200201220952j:plain

・コイル巻き数と出力の関係

コイル線径が細ければ、ボビンにより多く巻くことが可能となります。但し、線径が細くなると、電気が流れにくくなり直流抵抗値が大きくなります。つまり、ワイヤー径が異なる場合は、直流抵抗値とコイルの巻き数は比例しません。AWG42は線径が.0025inchで抵抗が1659(Ω/1000ft)、AWG42は線径が.0022inchで抵抗が2143(Ω/1000ft)となります。抵抗の比率は、2143/1659=1.3です。単純にAWG42に換算すると14/1.3=11kΩになります。とすると通常のPAFレプリカの1.3倍の出力になります。

f:id:Ed_hunter:20200201220940p:plain

・コイル線径とレゾナントピーク

ただし、そう単純ではないのはピックアップに流れるのは直流電圧でなく、交流電圧だからです。直流抵抗とは、直流電圧での抵抗になりますので、交流電圧に関しては、周波数によって出力が変わってきます。出力が高くなる周波数をレゾナントピークと呼びます。一般的にコイルの線径を細くすると高音の通りが悪く、結果として中低域の割合が高くなります。例えば、ダンカンJBは59より直流抵抗値が高いですが、トレブルはあまり出ず、ミッドローが出ます。テレギブのJBは、テレキャスターでも低音が良くでるようPAFをAWG44のコイルでリワインドし、結果として16kΩ程度の抵抗なったのでしょう。この辺りの説明は、セイモアダンカンのホームページでも解説されていますので、参照ください。

f:id:Ed_hunter:20170401163907j:plain

フランケンシュタインのリワインドの謎

フランケンシュタインのハムバッカーは、いつ、どういうリワインドをしたかは謎です。恐らく、エディはダンカン氏にPAFをもう少しトレブルを抑えてミッドローを欲しいと頼んでのではないでしょうか。特にエディの60年台中期のPAFは、ターン数が少なくよりトレブリーなものでした。そこでダンカン氏は、トレブルをおさえるためAWG43(14kΩ)でリワインドしたのでは無いかと思われます。ピートソーンさんは、当時のダンカンの広告にカスタム(ヴァンヘイレン)と記載されているので、78モデルはダンカン氏の記憶違い、最初のリワインド(78年)から14kΩくらいだったのでは、コメントしていますね。

f:id:Ed_hunter:20170729092800j:plain

フランケンシュタインハムバッカーのレビュー

14kΩの直流抵抗は、トーンのバランスを整えるためだと思われますが、実際に59より控えめなトレブル、JBより抑えめなローとバランスの良いトーンだと思います。アルニコ2はデガウス仕様ですが、ヴィンテージハムバッカーほど磁力は低く無いように思います。出力的には、一般的なレベルだと思います。全体的に甘めでバランスの良いピックアップですので80年台ハードロックには、最適なピックアップだと思います。ちなみにカスタムショップ製でIM1(今はFrankenstein)と言うモデルがありますが、こちらは造りが本格的でトーンもそれなりに違います。個人的には、よりリアルにエディサウンドを狙いなら78モデルよりもおすすめです。

ed-hunter.hatenablog.com

EP16 Tonebender Mk III

・ファズとオーバードライブ

ファズ、ディストーション、オーバードライブを回路で分けるのは簡単ですが、歪みのレベルで分けた場合、ブルースドライバーのようにオーバードライブなのにファズの回路の例もあったりします。例えば、D*A*Mの別ブランドEmanating Fist Electronicsのトーンベンダーは、スーパー・アルファ・オーバードライブと言ったりします。また、IbanezのOD-850は、ビッグマフ系の回路ですがオーバードライブと言う名前です。オーバードライブかどうかはメーカーの呼び名に従うと言うなら、トーンベンダーもビッグマフもオーバードライブと言ってもいいことになります。

 f:id:Ed_hunter:20201205184607j:plain

・トーンベンダーMK3

1968年の発売のトーンベンダーMK3は、別ブランドも含め、長い期間売られていました。中古でもそれなりに見かけますので、当時はそこそこ売れていたのではないかと思われます。マーク3は、マーシャルを歪ませた音に似ているとも言われますが、70年代ハードロッカーはかなり使っていて、マーシャルの歪みなのか、トーンベンダーの歪みなのかは、実は良く分かってなかったりします。トーンベンダーマーク3を使っていたと思われるのが、70年代のゲイリームーアです。シンリジーのライブなどを見ると、足元にトーンベンダーがあるように見えます。基本的に70年代のブリティッシュハードロックは、ほとんどがMK3っぽいサウンドです。

f:id:Ed_hunter:20201210124356j:plain

・Tonebender Mk III

トーンベンダーMK3は、70年代ハードロック的で耳なじみがあるためでしょうか、ペダルビルダーにも人気があります。JHSの人もMK3が好きなようですし、FulltoneのSoul BenderもMK3ベースのようです。オリジナルのマーク3は、シリコンもトランジスタもあるのですが、レプリカは、ほとんどゲルマニウムです。ファズフェイスですとシリコンも人気がありますが、マーク3に関しては人気が無いようです。まあ、トーンベンダーも人気が無く、マーク3もその中では人気が無いので、そもそも需要が少ないからでしょう。せっかくなので、高級メーカーのピグドッグ製のレプリカJUJUを入手しました。非常に高級感のある仕上がりです。

f:id:Ed_hunter:20180304100350j:plain

・Pijdog Pedals JUJU

ゲルマニウムのマーク3ですが、単純にマーク2にトーンが付いただけでは無く、歪みの質感も少し滑らかなように感じます。マーク2は、ローがそれなりにあるのでハムとの相性はそれほど良くないのですが、マーク3はトーンがありますので、割とどんなギターとも合うと思います。70年台のロックギタリストは、ミニハムの付いたレスポールデラックスやP90の付いたSGとかレスポールなんかを使っている人も多かったですし割とギターを選ばないタイプのように思います。この独特な感じが、とてもブリティシュハードロックな感じがしますので、クラシックロック好きなら気にいると思います。

トーンが付いているのでビッグマフに近いのかな?とか、シリコンのマーク3とかスーパートーンベンダーとかどうなの?とか、いろいろ気になるのがファズ沼の怖いところでしょうか。

 

EP15 Tonebender Mk II Professional

・初めてのファズ

初期ブラウンサウンドの再現のため、ファズ系ペダルとしてスローバックのオーバードライバーを試しファズの可能性はあると思いました。初めて買ったファズは、エディのファズボックス1から類推されるトーンベンダーMK2タイプのファズでした。ゲルマニウムトランジスタを使用したファズの歪みは、今まで経験したアンプや歪みペダルの歪みとは全くの別物で、そのトーンには驚かされました。歪みの質感としては初期ブラウンサウンドに似ているものの細かいところに違いを感じ、もっと色々なファズを使ってみたいと思いました。

f:id:Ed_hunter:20170813144429j:plain
・ファズ探しの旅

ファズ探しの旅は、レンジマスター、オーバードライバー、ビッグマフ、ファズフェイス(ゲルマ、シリコン)、トーンベンダー(mk1,mk1.5,mk2,mk3,italian,jumbo,super)の計12種類、数十台を試してきました。しかし、どれもあと一歩届くことはできませんでした。1周して気づいたのは、実は届かなかったのはファズを使いこなせていなかったこともありました。

f:id:Ed_hunter:20200825203029j:plain

VAN HALEN

こちらは、1stアルバムのレコーディング風景と言われています。改造前のデストロイヤーを使用しています。いくらなんでもこの状態でアンプをフルアップにしているとは思えません。マイクもキャビネットのすぐ近くですし、メンバーとの距離も近いのでアンプのヴォリュームは、控えめだったように思われます。となると、ファズ、ブースターは必須の環境に思われます。

 f:id:Ed_hunter:20200428195612j:plain

・改造マーシャル

ホセ改造などから真空管アンプの変遷について調べてみて、真空管だけでハイゲインを目指す方向は違うことを再認識しました。 MacOs版のガレージバンドでは、トーンベンダーがかなり近いこともあり、一周回ってトーンベンダーに戻ってきました。と言うのは、ファズ探しの旅をしている間にファズの使い方が分かってきたからです。

f:id:Ed_hunter:20180304100319j:plain

・Pigdog Professional MK II

トーンベンダーは、オリジナルにヴァリエーションがある上、ビルダーによっても大分サウンドが異なるのでファズ沼でも一番恐ろしいと言われています。トーンベンダーのクローンとしては、D*A*Mがとても有名ですが非常に高価ですので、その次くらいに有名なPigdog Pedalsのトーンベンダーを試してみました。ピグドッグは、値段は高いですが、値段に見合った非常に高級感のあるペダルです。実際のトーンもマーク2にしては大人しめの印象です。実際に試してみると非常に良く歪むオーバードライブといった感じでとても好みの歪みかたです。セッティング次第では、かなり初期ブラウンサウンドに近いサウンドを得ることができました。

MAXON Fire Blade OD-F1 Over Drive

・オーバードライブの選び方

最近のJHSのペダルショーは、とても面白いですね。この動画は、オーバードライブペダルの違いについてのエピソードです。

オーバードライブペダルを大きく分けると次の5種類に分けられるそうです。1)ソフトクリッピング、2)ソフトクリッピング・トランスペアレント、3)ハードクリッピング、4)ハードクリッピング・クロンスタイル、5)トランジスター・オーバードライブの5つです。確かにこの分類にすると好きなタイプの傾向が、分かりやすいですね。一般的には、1)と2)の間の微妙な違いで好みのタイプを見つけるのに悩んでいるのですが。3)は、回路的にはディストーションですがあまり歪まないものはオーバードライブに近いので試したことが無い人は、良いかもしれません。4)は、回路的にはハードクリッピングなんですね。5)は、ダイオードを使わずトランジスターで歪ませるのだとしたら回路的にはファズになりますね。ファズもそうですが、ダイオードを使わない方がアンプライクになるんですよね。

f:id:Ed_hunter:20200711135720j:plain

エフェクターの歪みこそ本物の歪みであるという説

昔は、オーバードライブは真空管アンプの歪みを再現しているから本物には敵わないなんて言われていました。しかし、多くの人が真空管アンプの歪みだと思っていた音が、実は歪みペダルの音だったなんてことが、特にハードロックでは多くあることが分かってきました。真空管の歪み、ダイオードの歪み、トランジスタの歪み、それぞれ違いは有りますが、どれが一番良いなんてことはありません、好みの問題です。最近は、ダイオードの歪み、ソフトクリピッングが、好みになってきました。

f:id:Ed_hunter:20201106185927j:plain

・MAXON OD-F1のレヴュー

今でこそ評価の高いMaxon(Ibanez)ですが、80年台は完全にBOSSの後追いでそれほど人気が高くなかったようです。80年台後半から円高が進み、徐々に国外生産が増えていきます。MAXONのFireBladeシリーズは、95年の登場と最も円高が進んだ時期の登場になります。筐体やパーツの見直しをし、国内製造にも関わらず低価格を達成した製品になります。結局、この路線もうまくはいきませんでしたが、ヴィンテージペダルブームの背景にリイシュー製品へ路線を変更していきます。と言うわけで、ネットで評価の高いMAXONのODーF1を購入しました。感想ですが、ネットのレビュー通りですね。SD-1よりも使いやすいですが、接点復活剤をかけると少し良くなりますが、やっぱりスイッチが弱点ですね。5つの分類ですと、1)にタイプだと思いますが、比較的フラットな特性で2のタイプにやや近い感じでしょうか。

・ヴィンテージペダルの違い?

こちらは、ヴィンテージペダルと現行のペダル違いです。比較動画でノブの位置を全く同じにすると音が違うと言っている人がいますが、可変抵抗は製造誤差(トーレランス)があるので全く同じものは造ることは出来ない。ヴィンテージと現行の違いを見る際には、ノブの位置は関係無いと仰っています。また、ヴィンテージは、伝説の魔法のOPアンプ(チップ)、現行はゴミのOPアンプ(チップ)だと言う人がいますが、OPアンプ(チップ)の違いはさほど影響しないとも仰ってます。ヴィンテージペダルは、コレクション的な意味合いが強いので、音なんか現行と一緒でもコレクターにとっては関係無いでしょうけれど。

BOSS OD-2 TURBO OverDrive

・ジャパニーズ・ロック80's

最近、80年台ジャパニーズロックが、気になっています。と同時に80年台の国産エフェクターにも興味があります。80年台の国産エフェクターって布袋さんが使っていたものは、プレミアが付いていますが、それ以外は情報も少なく結構安く入手できるのもよいところです。と言う訳で80年台ジャパニーズロックの多くが使っていたというボスのターボオーバードライブを入手しました。

 f:id:Ed_hunter:20201029195606j:plain

・BOSS OD-2 TURBO OverDrive

ボスのターボオーバードライブは、1985年の発売ですので、35年前のことになります。35年間のインフレ率2%で価格は、約2倍になります。発売時の価格1万円を現在に換算すると2万円に相当します。当時のエフェクターは、値段が高く、今のブティックあたりの感覚に近かったように思います。逆に、あまり値段が変わっていないか、むしろ安くなっている現代のエフェクターは、とても安いということでしょう。ボスのターボオーバードライブは、OD-1の後継として大ヒットしたようで、リサイクルショップでも良く見かけます。80年台の日本のプロギタリストは、ほとんど使っていた言われるようです。

 f:id:Ed_hunter:20201029195551j:plain

・BOSS OD-2 レビュー

80年台後半は、OD-2,SD-1,DS-1,DF-2,HM2が、ボスの歪みペダルでした。ターボオーバードライブは、OD-1の後継機の位置づけになります。大きな特徴は、opアンプを使わないディスクリート回路であることです。基本的な機能は、ディスクリートとopアンプは同じです。ただし、ビッグマフは、ディスクリート→opアンプ→ディスクリートと同じ機能でも多少、音は変わるのか評判は異なっています。ターボオーバードライブのターボオフでは、SD-1とほとんど同じように真空管を軽くドライブしたサウンドが得られます。ディスクリートのためか、ノイズが少なめでレスポンスが良いような気がします。ターボオン時は、真空管をオーバードライブでブーストした80年台ハードロックといったサウンドが得られます。登場の古いHM-2よりも当時としては新しめのサウンドだと思います。また、シングルコイルでもハムバッカーでもどちらも使えるのも良いところです。欠点としては、ドライブレベルと音量が連動するタイプ(ドライブゼロだと音がしない)なのでクリーンブーストが難しい点でしょう。多分これが、人気の無い理由のように思います。80年台は大量に売れ、90年台以降の新しいペダルによって忘れた存在ですが、ディスクリート回路のオーバードライブは珍しいですし、1台で2台ぶんのサウンドが得られる良いペダルだと思います。

f:id:Ed_hunter:20201029195530j:plain

ターボオーバードライブの発売は、85年8月か9月のようです。聖飢魔IIの悪魔が来たりてヘヴィメタるが85年9月、レベッカIVが85年11月、ボウイのJUST A HEROが86年3月、PSY・SのPIC-NICが86年7月、BARBEE BOYSの3rd Breakが86年10月なんです。なるほど。