A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

Jim Wagner Dark Burst

ブティックギターにハマっていた時、入手したマクノートギターに載っていたのが、ジムワグナーのダークバーストハムバッカーでした。当初は、ギター本体の素晴らしさに感動していたのですが、ピックアップも良いのじゃないかと思いました。そこで、ギブソンのレギュラーピックアップが載った手持ちのレスポールタイプと比較してみました。すると、ダークバースは、非常にレスポンスが良くとてもレンジが広い感じで、ピックアップも相当違いがありそうです。また、聴感上の音量は決して小さくは無いのですが、実際の出力は一般的なハムバッカーに比べかなり小さいことが分かりました。

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ジムワグナーのピックアップは、ブティック系のピックアップとしては登場が早めでした。そのおかげか、ダグアンドパットショーでも早い段階で取り上げられています。動画では、ダークバーストではなくコイルターン数が少なめのクロスロードと言うモデルです。ベアナックルと58はアルニコ2なので似たようなトーンに感じます。ダークバーストは、ダンカンのアンティクイティと似た感じで59,60に近い感じでしょうか。

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 昔リットーミュージックから発売されていたリプレイスメントピックアップのすべてには、磁力の計測結果が載っていました。この結果が、なかなか興味深いです。例えば、ダンカンのアンティクイティは、57クラシックの半分位、ダンカンのジャズ(ダンカン59をポリワイヤーに変更)は57クラシックより2割くらい強め、JBは57クラシックより5割くらい強め。割と出力のイメージと近いんじゃないでしょうか。意外とトムホームズは磁力が強く、JBと同じ位だったりします。色々とP.A.Fレプリカを試してみたのですが、おしなべて磁力は低めに感じました。いわゆる枯れた感じの秘密は、低い磁力が弦振動を妨げることが無く、広い範囲に磁力が届くため、レスポンスとレンジに影響を与えているのでしょう。f:id:Ed_hunter:20191214084341j:plain

こちらは、ブティック系のP.A.F.レプリカでも使われているA社のマグネットのカタログです。アルニコ2,3,4は、似たような特性なのがわかるでしょう。量産ピックアップメーカーが使うアルニコ5は、どんな特性なのでしょうか?

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現代のアルニコ5は、オリエンテッドタイプの磁石なのでアンオリエンテッドタイプのアルニコ2,3,4の倍近い磁力を持っているのが、わかるでしょう。オリジナルのP.A.F.は、経年劣化で磁力が半減した訳ではなく、もともと半分程度の磁力だったのでは無いでしょうか。P.A.F.に使われていたアルニコ5もアンオリエンテッドタイプで磁力が低かったので、オリエンテッドタイプといわれるT-TOPやダンカン59とはトーンと出力が異なるのでは無いかと思われます。

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話をダークバーストに戻しますと、こちらにP.A.Fレプリカ(ウィルボッグ)との比較動画がありました。P.A.Fレプリカは、ブルースロック等のクリーン、クランチ向けのタイプが多いのですが、ダークバーストはロック向きでブラウンサウンド系にも相性がよいタイプだと思います。カスタム24のオリジナルピックアップは、ハイゲイン想定でもう少し幅広いタイプへの交換を検討しました。ダンカンやEMGでも充分良いですし、実際交換されている方も多くいます。ただ、本体の値段を考えるともう少し高級なものを載せたいと思いました。実際に出来の良いP.A.F.レプリカを載せ てみるとかなりヴィンテージな感じで、見た目との違和感があります。そこで、ヴィンテージ系でかつパワフルなモノと言うと、マクノートで定番の組み合わせ、リオグランデのテキサスBBQセット、ワグナーのダークバーストが候補となりました。リオグランデも一時期載せていたんですが、24フレットでネックとブリッジが近いためバランスが取りにくかったため、ダークバーストで落ち着いています。ただ、そろそろ他も試したくなってきています。