A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

EP10 BOSS SUPER Over Drive SD-1

ブラウンサウンドと言っても時期によってかなり違いがあると思いませんか。個人的には、1枚目のファズに近い激しい歪み、2枚目から4枚目までの一般的なディストーションサウンド、5、6枚目のナチュラルなオーバードライブサウンドに分けて考えています。 

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海外のライターのデイブハンターさんは、ブラウンサウンドの決め手はMashallのハーフスタックでは無く、初期から使っているSD-1だと語っています。歪みの量はともかく音域的にプレキシマーシャル系とブラウンサウンドは違うというの同感なのですが。さて、ほとんどのギタリストが一度は使ったことがあるボスのスーパーオーバードライブがブラウンサウンドの正体なのでしょうか?

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BOSSのOD-1が1977年11月に発売、1979年頃にTubeScreamerが発売、1981年2月にSD-1が発売されます。Diver Downが発売されるのが、1982年4月ですのでSD-1が使われたとしたらDiver Down以降ということになるでしょう。確かにダイヴァーダウンと1984は、それまでのディストーションっぽいサウンドからかなり歪みの少ないナチュラルなサウンドに変わっています。ものは試しとSD-1を入手してみました。にわかには信じられませんが、歪みの感じ、音域のピークの出方ともかなりSD-1に似ています。多くの人が真空管アンプの歪みだと信じていたのが、BOSSのオーバードライブだとしたらBOSSのエフェクターって本当に優秀ですね。80年代のLAメタルギタリストの多くがマーシャル+SD1を使っていたのは、エディがSD-1を使っているという噂がLA界隈では流れていたからかもしれませんね。

  

Working Man

Greta Van Fleetのレビューで、初期のRUSHに似ているという意見を見てちょっとRUSHが気になっています。RUSHは、プログレ系バンドでドリームシアターの先祖っぽい認識何ですが、デビュー当初はZEPフォロワー的なバンドだったようです。

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初期の曲で有名なのが、Working Manでしょうか。初期は、68年製のサンバーストの335を使っていたようです。ストップテールピースじゃ無いのと黒のノブが特徴でしょうか。ギターの音もかなり歪んでいて、本人によると初期はファズフェイスを使っていたと言っているようです。ギターソロなんかは、昔のマイケルシェンカーに似ているんですが、50WのマーシャルにT-TOPですから機材的には近いですね。ファズは、ブースターっぽく軽く歪みを足す感じ何でしょうか?

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初期のハードロック路線は、あまり売れずにテクニカルかつポップに路線変更が大成功し、海外ではかなり人気のバンドになりますが、日本ではそれほど人気無いような気がします。その後、白のES-355がメインとなるようです。

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EDS-1275を使っているのも割と有名でしょうか。プログレ大作主義の時代は、フェンダーのアンプがメインでギターはあまり歪まなくなっていきます。80年台以降は、ストラキャスターなんかも使うようになっていきます。

 

 

Stevie's Spanking

ティーヴヴァイが、フランクザッパのバンドに参加していたのは有名ですが、ザッパ時代とアルカトラス初期に愛用していた改造ストラキャスターを見てみましょう。

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ラージヘッドフェンダーストラトキャスターですね。本人によると76年に入手したとのことなので、ブラックピックガードなので恐らく76年製のものでしょう。当初は、ピックガード以外のプラスチックパーツは白だったと思われますので、入手後に黒いもの交換したと思われます。ピックアップは全てシングルのままですが、ブースター(本人によるとリングモジュレーターも)を内蔵していますし、アームもオリジナルでは無いようです。

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 きになるのは、ギターのグラフィックです。81年のライブ映像からは、あまりよく分からないのですが、カラーテープと黒地に丸のような模様があるステッカーを何枚も貼ってあるようです。

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この時もまだシングルコイルピックアップ、シンクロトレモロのですが、floctexのステッカーが増えているようです。

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82年になるとフロイドローズとハムバッカー(ディマジオのX2N)が取り付けられます。更にステッカーが増えているようです。

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アルカトラスでの来日時には、ボディが新しいものになりますので、ステッカーは一切ありません)。ピックアップは、ブリッジ側がビルローレンス製のハムバッカー、シングルコイルはセンターがフェンダーネックがディマジオでトグルスイッチでハムバッカーになるとのことです。フロイドローズが、ファインチューナー付きになり、ボディがザグってあります。

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ボディは、新品なのでバックカバーの取り付けネジ孔がありません。ネックは4点止め、電池用カバーの向きはフェンダー時代とは少し違います。

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最終的には、ステッカーの貼ってあるフェンダーのボディに戻しているようですが、ピックアップは黒のX2N、ブリッジも黒のフロイドローズに交換したようです。フェンダーのボディは、派手なアーミングで破壊したとのことでしたが、恐らくスタッド部がいかれたので補修したのでしょう。

 

Greta Van Fleet

今週から初来日ツアーのグレタヴァンフリート。定期的にZepっぽいってバンドが出てきますが、実際のところそんなZepには似ていないように思うでんすよね。それでも、このバンドのヴァーカルはとても良いですね。歌い方は少しロバートプラントを意識しているところもありますが、声なんかはアクセルローズとかボンスコットの方が近いように思います。

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このバンドは、曲も70年台風ですし、ギターの音も結構70年台っぽいんですが、機材を調べて見ました。

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アンプは、ちょっと前に出たマーシャルのAstoriaでCMEリミテッドのようです。色が限定何でしょうか。ブティックアンプをかなり意識したアンプのようですが、値段がちょっと高過ぎだったのか、もうディスコンみたいですね。ヴィンテージを意識した歪まない傾向のアンプのようなので、一般的に人気な80年台以降の歪みを求める層には、受けなかったのかもしれません。個人的には値段が安買ったら、欲しいです。

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歪むないタイプの真空管アンプの場合、オールドP.A.F.とトレブルブースターと組み合わせるのが、クラシックロックギターサウンドの王道でしょう。ジェイクキスカが使っているのは、JEXT TELEZのダラスレンジマスターで、グレタヴァンフリートMod仕様がRANGE VAN LORDです。多分、OC44を使っているだけのようです。やっぱりこの手のギターサウンドは良いですね。

 

2018年に買ったペダル

個人的にここ数年ファズブームでかなりの数を購入したこともあって、昨年はほとんど購入しませんでした。多分はファズは3台買っただけのように思います。

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1)Pigdog MK II

トーンベンダー系もかなり購入しましたが、そろそろ完結す流には高級系が良いだろうということで入手しました。MK2系は、本当に同じ回路なの?ってくらいビルダーによって音が違いますね。こう言う経験するとオーバードライブのOPアンプの違いなんて無いに等しく感じますねw

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 2)Pigdog MKIII

トーンベンダー完結編って感じでMK3も購入しました。トーンベンダーは、もちろんD.A.M.が最も有名で人気がありますが、値段が高すぎてもう手が出ない感じで、その次くらいに人気なのがPigdogだと思います。塗装なんかもすごく綺麗で非常に高級感が有ります。なんかファズってヴィンテージが高いせいか、購入者層はお金持ちが多いんでしょうか?

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3)Manlay Sound RONNNO BENDER

MK2,MK3と来ましたのでMK1になります。Pigdogは、特にMK1のレプリカが有名なせいか値段がすごく高いので、Manlay Soundにしました。こちらは、ビルダーが大のミックロンソンファンですので、MK1の出来には定評があるようです。

と言うわけで2018年はトーンベンダー1,2,3揃い踏みでファズに関してはほぼ満足出来ました。さて、2019年はどんな出会いがあるでしょうか。みなさん今年もよろしくお願いします。

 

 

Brandonwound Pickups JP#1

ハムバッカーと言えば、ヴィンテージP.A.F.に注目が集まっていますが、P.A.F.(レスポール)使いはブルースギタリストが多くて、70年代ハードロッカーはT-Topが多いように思います。そして70年代ハードロッカーは、トーンベンダー使いも多いように思いまして、T-TOPとトーンベンダーの組み合わせはどうなんだろうかと興味が湧いてきました。そう言えば、ジェフベックみたいにカラーサウンドのオーバードライバーとの組み合わせも面白そうです。

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とは言え、昨今ではT-TOPも意外と高騰しつつあり、怪しげなものも多く散見されます。ギブソンの490Rをアルニコ5に交換するとT-TOP風になるなんて話もありましたが、ここはコピー品で良いかなと思いました。コピー品は、ManliusとかVinehamなんかも有名ですが、ブラックフライデーでセールだったブランドンワウンドピックアップにオーダーしました。

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 JP#1はジミー・ペイジのNo1レスポールのことで、ブリッジピックアップを72年頃にT-Topに交換されていますので、それをモデルにしているようです。初期の頃は、ブリッジ側がクロームカバーでしたが、いつの間にかブリッジはオープンになっているようです。ネック側は、ニッケルカバーが付属していました。

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ネック側は、59 年ごろのP.A.Fのコピーで、ブリッジ側は初期のT-Topでステッカーナンバード仕様です。ジミーペイジ仕様なので4芯になっています。さて、取り替えましたら報告したいと思います。今年は、更新が少なめでしたが、また来年もよろしくお願いします。

 

EP9 Big Muff Pie

ストラトとファズフェイスって本当に相性いいですね。すっかり気に入っていたら11月も終わってしまいそうです。と言うわけで、ファズ系エフェクターとしては、もっともポピュラーな ビッグマフパイについて語って見ましょう。

ビッグマフは、USA製期とロシア製期(ロシアンマフ)に大別されます。日本ですと割とざっくりと分類されていますが、海外に倣ったヴァージョンごとに見ていきましょう。

【USA製】

Ver.1 "The Triangle Big Muff "(1969-1973)

Ver.2  "The Ram's Head Big Muff" (1973-1977)

Ver.3〜6 "Black and Red"(1977-1984)

【ロシアンマフ】

Ver.7〜7B "Civil War"(1990-1994)

Ver. 7C - 8 "Russian"(1994 - 2009) 

 

【VERSION 1 "The Triangle Big Muff "(1969-1973)】

V1.THE “TRIANGLE” BIG MUFF 1969-1973

最初期のマフが、通称トライアングルマフです。細かい仕様違いが無数にあるため、細かいヴァージョンは無いようです。最近ミニサイズが、発売されています。

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【VERSION 2 - "The Ram's Head Big Muff" (1973-1977)】

THE “RAM'S HEAD” BIG MUFF π - VERSION 2 1973-1977

最も人気の高いのが、ラムズヘッドではないでしょうか。トライアングルからやや大きくなった筐体は、デザインも洗練されています。こちらも色違い等の仕様違いがありますが、細かいヴァージョンは無いようです。トライアングルとの違いは、僅かですが、ミニサイズの発売が待たれます。

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【VERSION3〜6(1977-1984)】

V3.RED AND BLACK BIG MUFF  1976〜1979

V4.OP-AMP BIG MUFF

V5.OP-AMP ”TONE BYPASS“ BIG MUFF

V6.TRANSISTOR "REVERSE LOGO" BIG MUFF 1978〜1984

筐体のデザインは、御馴染みのもので日本では3rdと呼ばれていますが、海外では回路の違いからV3からV6と区別されています。現行のミニサイズのマフは、V4がモデルのようです。

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【"CIVIL WAR" VERSION7〜7B(1990-1994)】

V7. SOVTEK GREEN AND GRAY "CIVIL WAR" RUSSIAN BIG MUFF 1991-1993

V7A.SOVTEK BLUE AND GRAY “CIVIL WAR” RUSSIAN BIG MUFF 1993-1994

V7B.SOVTEK GREEN “CIVIL WAR” RUSSIAN BIG MUFF 1993-1994

ロシア生産になって以降は、結構細かくヴァージョンが別れていますが、初期のものは、シビルウォーと呼ばれています。

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【“RUSSIAN MUFF ” VERSIONS 7C - 8 (1994 - 2009)】

V7C.SOVTEK “GREEN RUSSIAN”  Bubble Font and Tall Font Big Muffs 1994-2000

V7D.SOVTEK “BLACK RUSSIAN”  LARGE BOX 1998-2000

V8.“BLACK RUSSIAN” SMALL BOX 1999 to 2009

こちらは、筐体の色でグリーンロシアン、ブラックロシアンと呼ばれています。日本でもよく見かけるロシアンで、まだお手頃価格ってこともあり、意外と人気があるように思います。

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【まとめ】

ビッグマフは、ファズフェイス→トーンベンダーからの流れでファズとしては、だいぶ扱い易くなていますので、サウンド的にはかなりディストーションに近いです。実際、近年のハイゲインディストーションは、マフに近いものもあるので、懐古趣味ではなくモダンなサウンドとしてもマフは人気があるように思います。

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