A Different kind of truth

初期ブラウンサウンドはファズなのか?

EP8 Fuzz Face

 

代表的なファズと言えば、ビッグマフ、トーンベンダー、そしてファズフェイスでしょう。今回は、ファズフェイスについて語ってみましょう。

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非常に大雑把にファズを分類しますと、トランジスタ1石がレンジマスター、2石がファズフェイス、3石がトーンベンダー、4石がビッグマフとなり、トランジスタが多いほどディストーションが強くなり、少ないほどブースターに近い傾向があります。ファズフェイスは、ジミヘンドリックスのイメージが強いため、ものすごく歪むエフェクターだと思っている人も多いでしょうが、どちかと言うとブースターに近く、単体だとそれほど歪みません。(ジミも他のエフェクターと組み合わせて効果音的に使う場合以外は、割とナチュラルにブースター的に使っているそうです。)

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ファズフェイスは、ブースターに近いと言いましたが、トレブルブースターとの大きな違いは、低音が強調される点だと思います。また、入力感度に敏感で入力が過大だと汚く歪む傾向があると思います。そのため、ハムバッカーとの相性は悪く、シングルコイル(特にグレイボトム)と相性が良いのは有名なところです。スコーピオンズ時代のウリロートの歪みは、複数のファズフェイスとシャーラーのファズを組み合わせて生み出していたようです。ハムバッカーとの相性が悪いので、ブラウンサウンドがファズフェイスの可能性は低いように思います。

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リッチーブラックモアは、68〜69年頃?にマーシャルアンプ、ストラトキャスター、ファズフェイスとジミヘン3点セットを完成しているようです。しかし、リッチーのファズフェイス使用については、あまり語られことがないように思います。最近、ストラトを手にする機会が増えたこともあり、久しぶりにファズフェイスを使ってみました。ファズフェイスと言えば、ジミヘンかなと思って弾いてみると、それほどジミっぽくない。じゃあリッチーでもと思って弾いみていましょう。。。 

意外とパープルっぽいんですよね。 ファズフェイスとトレブルブースターの違いは、ローが出るかどうかですが、スタジオ盤は割とローが出ているので、ファズフェイスの可能性もありますね。50Wマーシャルの可能性も否定できないんですが、ファズフェイスの歪みとマーシャルって割と似ているんで、何とも言えないですけどね。割とお手軽にリッチーの雰囲気が味わえますね。

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Caline Sand Storm

 

オーバードライブのOrange Burstが、素晴らしかったので ディストーションも買ってみました。最近、JHSのjhs angry charlieが人気ですが、元ネタはMI Audio Crunch Boxのようなので、同じ元ネタのSand Stormにしました。

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プロギターショップのデモは、良いですね。実際、ブーストしたマーシャルサウンドって感じで、80年代メタルにぴったりな感じですね。さらに歪むRed Devilって言うのもありますが、個人的にはSand Stormで十分ですね。 

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JHSペダルは、海外では非常に評判が悪いのですが、ちょっとググってみました。

 The People Vs. JHS Pedals (UPDATED) – Real World Worship

 ことの発端は、JHSがオリジナル回路では無いのに高いとか品質が低い、Devi Everと揉めた挙句、悪評を流して倒産に追い込んだとか、その手の話だったんですが、reddit(掲示板)あたりで、ihopkcへの関与疑惑が浮上したあたりで雲行きが変わっていきます。ihopkcとは、International house of prayerの略称で、キリスト教右派(カルト)で同性愛に対して否定的なスタンスでアフリカ等で布教活動しています。ウガンダでの活動の様子はドキュメンタリーとして、アカデミー賞にもノミネートされているようです。

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JHS Pedals Supports Human Rights

JHSからの公式見解ですが、2010年から13年までihopkcまで関与していた事は事実ですが、もう一切関わっていないし、 メーカーとして差別的なことは一切無いとのことです。

Raw Vintage RV-PAF

ストラト用ピックアップで評判のRawVintageのハムバッカーを入手しました。Allen Hindsっていうギタリストが、Xoticのギターにマウントしているので気になっていました。

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RawVintageは、以前にもRV5760ってハムバッカーがありましたが、モデルチェンジしたようです。RV5760は、ネック用(7.5kΩ)、ブリッジ用(8.0kΩ)、Fスペース(8.3kΩ)の3種類のピックアップカバー違いでしたが、カバー無しのRV-PAF STANDARDとカバー有りのRV-PAF COVEREDの2タイプにそれぞれFスペースを追加した4種類のようです。直流抵抗値は、7.5kΩなのでRV5760のネック用がベースのようですが、マグネットがアルニコ2からアルニコ5に変更になっているようです。

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外観は、Fスペースだからなのかショートレッグですしボビンも普通のプラスチック系のようです。見た目は、ヴィンテージレプリカと言うより、Suhrとかに似ているように思います。スペック的にはダンカンの59とかに近いようですが、印象的にも似たような傾向に感じました。ダンカンの59、suhrのSSVよりレゾナントピークが高めなんでしょう、キュキュ、カリカリと言ったいわゆるバイト感が強いタイプでレスポールよりSSHストラトに合うタイプだと思います。Allen Hindsのファン以外でしたらダンカンとかSuhrでもいいように思います。

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calineのorange BurstっていうBBプリアンプのコピーモデルで試してみました。Allen Hindsは、AC Booster系のシグネチャーモデルですが、同じ傾向のように思います。

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Falling Upって曲にチャレンジしてみました。演奏はともかく、歪みペダルとの相性はとても良いと思います。

EP7 MXR graphic equalizer

MXRのディストーションプラスが、想像以上に良かったのでグラフィックイコライザーも入手してみました。メインのファズボックス#1系統はMXRなのに、ボスのグライコの方が人気が高いのはやっぱり日本製だからでしょうか?

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MXRのグライコもロゴ違いで製造年代が異なります。エディ本人が使っていたと思われるのはボックスロゴ1期です。名称が、graphic equalizerとなっています。MXRの字体はブロック体ですが、囲みの形状が角の尖った四角になっているのでボックスロゴ1期と呼ばれています。ボックスロゴ1期は、他のペダルでは使われていないようなのでちょっと新鮮な感じですね。

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こちらは78年頃登場のボックスロゴ2期でsix bandの名前が追加されいます。こちらは、他のペダルにも使われているのでお馴染みな感じです。また、ジムダンロップ期もほぼ同じ外観で再発売されますが、塗装と色の感じが異なるので見分けはつくと思います。

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ボックスロゴ1期の中身です。

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ボックスロゴ2期の中身です。パーツのメーカーは違うようですが、基本的な構成は同じようにおもいます。サウンドの違いについては、グライコなんでよくわかりませんが同じように思います。

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EP6 MXR Distortion+

大まかに歪みを分類すると真空管アンプ真空管で、ファズはトランジスタで、そしてオーバードライブ、ディストーションダイオードで歪みを発生させます。1972年創業のMXRが、恐らく73年に発売したのが有名なディストーションプラスです。従来のファズに比べカラフルでコンパクトな筐体、ディスクリート回路に変わり集積回路(IC)とクリッピングダイオードによる回路は、その後の歪み系ペダルに大きな影響を与えました。

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最近では、スマホ、パソコンが主流で文字を書かなくなってきているため、読めない人が増えつつある筆記体スクリプトロゴ)のモデルです。かなりキレイですが、リイシューでなくオリジナルです。

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78年頃?にはブロックロゴ(ボックスロゴ2期)に変わり、80年頃?にLEDと電源ジャックが追加され84年頃にMXRは製造を中止。87年頃にジムダンロップから再発売されます。初期のジムダンロップとMXRの最終期は、LEDと電源付きのため外観が似ていますが、MXR製はマスタードカラー、ジムダンロップ製は黄色っぽくなり、中身も別物になります。

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 スクリプトロゴ期は、手作り感が強く基盤の材質、パーツのメーカー等かなりヴァリエーションがあるように見えます。

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こちらはMXR最終期で、パーツの仕様が異なりますが、基本的な回路は同じで、音の方も基本的に同じです。ディストーション+の類似品として、ROSSやDOD250、MAXON D&SII、GUYATONE PS-102なんかがあります。DOD250は、MXR製のディストーション+とは、ダイオードの電圧が違うため歪みが小さく出力が高いそうです。80年代になり歪みペダルをブースターとして使う方法が一般的になったため、ジムダンロップ製もDOD250と同じように出力が高い回路に改良されたようです。

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ファズの知識が全く無かったので、改造したファズボックスの正体として真っ先に疑い持ったのが、MXRのディストーションプラスでした。1stアルバムは、機種は特定できませんがファズもしくはブースターっぽいですが、2ndアルバムもマーシャル直とはちょっと違うかなと。ファズ#1がファズ系とすると、ファズ#2の中はMXRじゃないかと。。
ディストーションプラスは、MXR製とジムダンロップ製は、結構違うらしいってことでしたし、それほどプレミアも付いていませんのでスクリプトロゴを購入しました。で実際に試したところ、かなりブラウンサウンドっぽいなと思いました。ちょっと面白いなと思ったのが、MXR製は出力電圧が200mV、P.A.F.レプリカも同程度の出力電圧のせいなのかPAFレプリカだとキレイに歪むの対して、ちょっと出力が高いピックアップですと音が潰れ気味になるようなんです。以前のピックアップの音源は、アンプはクリーンで歪みはMXRなんですが、ダンカンだと潰れ気味でアーケインの方が印象は良かったです。

MXRは意外とファズっぽい歪み方なので、ひょっとして1stでもアイバニーズの時はMXRかなと思って試してみましたが、歪みがやっぱり足りないのでやっぱりファズかなと思っています。

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ムック『ヴァン・ヘイレン ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1978&1979』発売

最強のヴァン・ヘイレン、ここに復活! オリジナル・ラインナップによる2度限りの来日ツアーを未使用カット多数の写真とメンバーの行動記録他で集大成!

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入手しました。かなり厚い本です。内容は、ほとんどが写真(少しコメントがあるだけ)ですので来日写真集にちょっと記事があるって感じです。機材写真も今までより大きめで見られるのが、うれしいところです。個人的には、フランケンってちょっと汚な過ぎでそれほど好きじゃないんで、久しぶりに見たバンブルビーの塗装がキレイで格好よく思いました。

EP5 Glenn Snoddy

先日、グレンスノッディ氏が亡くなられました。あまり知名度は、高くないかと思いますが、世界初の量産ファズ、マエストロのFUZZ TONEの開発者として知られています。

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ファズの起源は諸説ありますが、1961年のマーティロビンソンのドントウォーリーと言う曲で、トランスが壊れたアンプのため歪んだ音と言われています(ギターではなくダンエレクトラのショートスケールのベースのようです)。その音を再現するためにスノッディ氏がギブソンに回路図を持ち込み、62年の春に発売されたのがFUZZ TONEでした。実際に人気が出るのは、65年のローリングストーンズのサティスファクションが発売されてからになるのですが。ファズの起源としては、スピーカーを切り裂いたキンクスのユーリアリーガットミー(64年8月)なんかもありますし、もっと古いのですと真空管?がイカれたアンプを使ったアイクターナーのロケット88(1951年)なんかが最古のように思われます。

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エストロのFUZZ TONEは、ジージー、ブチブチ系のいわゆる60'sファズと言ったトーンだと思います。FUZZ TONEを元にMosriteのFuzzrite、トーンベンダーMk1、日本製のファズと色々なモデルが開発されていきます。日本製ファズは、シンエイ、エルクと発展していくのですが、どちらかと言うと60'sファズ系のトーンのようなので、ファズと言ったらこの手の音を連想する人が多いのだと思います(日本製ファズは、未研究なので違うかもしれません)。

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60'sファズトーンは、60年代後半のハードロック誕生前のロックがまだ混沌とした時代、サイケデリックロック、アートロックと言ったサウンドが合うんでは無いかと思います。60年代後半のイギリスはブルースロックが盛り上がっていたんでしょうが、ブルースの本場アメリカでは、もう少しロック的なものが盛り上がりその中でファズが使われていたように思われます。サイケデリックロックではアイアンバタフライのIN A GADDA DA VIDAとかノーマングリンバウムのスピリットインザスカイなんかが代表的でしょうか。初期のパンク、ガレージロックのストゥージズやMC5、ブルーチアー等も60'sファズっぽいトーンだと思います。また、ジャズロックの元祖と言えば、マイルスのジャックジョンソンだと思うのですが、その中でジョンマクラフリンが使っていると言われるのが、ジョーダンのボストーンですがこちらは60'sファズっぽくは無いですね。60'sファズは、ブラウンサウンドとは逆の方向に思えたので、始めはあまり興味なかったんですが、サイケデリックロックの世界に足に踏み入れるととても魅力的に感じてくるようになりました。

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