A Different kind of truth

ブラウンサウンドの異なる真実。月に1度の更新予定です。

EVH "Brown Sound"

EVHブラウンサウンドと言っても時期によって大分違いがありますが、多くの人がイメージするのは、1stアルバムのサウンドではないでしょうか。多くの人が、チャレンジしたこの歪みは、謎が多く未だに再現できていないように思います。デビュー直前の写真では、100Wのマーシャルの他に50Wのマーシャル、VOXのアンプ、そしてあまりにも有名なヴァリアック(ヴォルテージレギュレイター)が見えます。マーシャルアンプが、220ボルト仕様であったため、電圧を上げて使っていたと言われます。

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 2ndアルバム以降はともかく、1stアルバムのサウンドは正規の電圧を変えた程度とは思えない程、とても歪んでいますので、何かブースターの類を使っていたのではという疑惑が持たれます。

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 リッチーブラックモアは、アイワのテープレコーダーを改造したトレブルブースターを使っていたのは有名です。

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 ジミーペイジは、エコープレックスをブースター的に使っていたと言う仮説からEPブースターなんかが発売されています。

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 エコープレックス程度であれほど歪ませられるかと言う疑問もありますが、エディに関しては、エコープレックスは2台ともエコーとして使っているので、ブースターとして使っていたとは思えません。そこで、浮上してきたのがunivoxのエコーEC80です。こちらは、1台は予備ということですが、これだけ予備を用意しているのは不自然な感じもします。

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 univoxのエコーは、プリアンプ部の増幅率も高くブースターとして使えた可能性も高いという噂です。と言うのは、 エコーのアンプ部は世界初のオーバードライブと言っても良いUNI-DRIVEというエフェクターとほぼ同じらしいからです。

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実際にジミーペイジは、エコープレックスはエコーとして使い、ブースターとしてUNI-DRIVEを使っていた時期もあります。時期的には、UNI-DRIVEとかどうかは不明ですが、LED ZEPPELINのライブアルバムを聴くとペダルで歪みを切り替えているので、何らかのブースター(歪み)系ペダルを使っているのは確実でしょう。ちなみにジミーペイジマニアの要望でUNI-DRIVEのクローンペダルは、いくつか発売されています。やはり、エディも何らかのブースターを使っている可能性は高いと思われます。さてその正体は、univoxのエコーなのでしょうか?

Frankenstrat

ここで、フランケンシュタインの歴史を振り返ってみましょう。

*デビュー前

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・シャーベル(ブギーボディ)の無塗装ボディに自作ピックガードにゼブラのマイティマイト。ネックは、おそらくフェンダー製でしょう。

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ブラックボディにフェンダー製ピックガード。ピックアップは、ゼブラのまま。

VAN HALENはレコーディング(1977/8/31〜9/8)後に白黒フランケンが登場。

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白黒ボディに2つのノブにシャーベル(ブギーボディ)のネック(1977/9)。ピックアップは、P.A.F.では無くステッカーナンバードでしょうか。その後、1ノブ化しVAN HALEN 1st Tour (1978/3〜12)で使用します。

Van Halen II(1978/12~1979/1)をレコーディング。ここから先は、有名なんで簡単に紹介します。

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レコーディング終了後(1979/1)に赤をペイント。

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VH2ツアー(1979/3~10)の途中でスネイクに付いていた黒ヘッドのネックに交換。ピックアップは、熱で変形したり、ニッケルカバーの時期もありました。

*Women and Children First(1979/12~1980/2)

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WACF(World Invasion)ツアー(1980/3~11)は、フロイドローズが初登場。黒ヘッドからバンブルビーのネックを移植。ピックガードも少しまとめに。ダブルクリームのピックアップは、セイモアダンカン製でしょうか。

Fair Warning(1981/3~4)

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・FWツアー(1981/5~10)ピックガードが変更、ブリッジ部にコインが取り付けられています。ピックアップは、黒ボビンになります。
*Diver Down(1982/1~3)

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・DD(Hide Your Sheep)ツアー(1982/7~1983/2)では、21Fのネックを22Fのネックに交換したり、ファインチューナー付きのプロトタイプのフロイドローズに変更。

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・US Festival(1983/5/23)では、クレイマーのネックが取り付けられ、フロイドローズも新しいものになります。おそらく、ブリッジ位置を変更しています。1984は、1983年にレコーディング。1984ツアー(1984/1~9)では、5150がメインでフランケンは引退。

Franky's P.A.F

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1977年9月8日までレコーディングし、9月16日に初登場した白黒フランケン。この時のダブルブラックのピックアップが、本人の言う通りギブソンES335から取ったPAFシールの貼っているギブソンのハムバッカーなのでしょうか。

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'61年製の335と言われていますが、ブロックインレイにストップテイルピースなので、62~64年製と思われます。但し、ノブがソンブレロタイプなので65年以降のものをストップテイルピースに改造したとも考えられます。ピックアップの外観は、スクエアウィンドウ付きでT-topでは無いことから、62年~67年のナンバードPAFの可能性が高いです。オリジナルの状態では、7.6k~8kΩのショートアルニコ5のピックアップであることになります。

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古いギブソンのハムバッカーは、コイル保護テープが片側しか巻かれていませんので、表側からマグネットを確認することができます。写真の右側のボビンの下にマグネットがほとんど見えませんので、ショートアルニコで間違いないでしょう。初期の5150のピックアップもショートアルニコのようです。

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セイモアダンカン氏が、リワインドの広告を出したのが77年末のことですので、白黒フランケンにP.A.F.を載せてしばらくは、オリジナル状態で78年のツアー前にリワインドしたと考えるのが良さそうに思われます。

Mighty Mite Pickups

エディが、1stアルバムのレコーディング前に使っていた、サンバーストと黒、そして無塗装のストラトに載せていたのが、クリームとゼブラのマイティマイトのピックアップでした。

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 マイティマイト社は、もともとはディマジオのピックアップの西側地域のディストリビューターでした。しかし、それ以外の地域にも販売したため契約を打ち切られてしまったため、ディマジオのコピー商品を自前で作り発売することとしました。 本当かどうかは良く分かりませんが、その当時は無名のセイモアダンカンが製造していたと言われています。

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 マイティマイトのハムバッカーには3つのモデルがあり、#1300と#1400はダブルヘクサスクリューで、#1600はダブルスラッグのポールピースになります。資料を見るとモデルによってボビンの色が違うようにも見えますが、モデルとカラーに関連は無いようです。#1300(Distortion)は、ディマジオのスーパーディストーションのコピーで直流抵抗値13.5Kのセラミックと思われます。#1400(Vintage)は、同じくスーパー2のコピーで9.5Kのセラミックと思われます。#1600は、#1300と同スペックでポールピースが違うだけのようです。

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マイティマイトのピックアップの特徴は、 ボビンに孔が開いていない点です。この当時のディマジオは、3孔ですので簡単に見分けがつきます。ワイヤーは、ボンデッドワイヤーと言う珍しいものを使っていたようです。

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エディが、使用していたのはゼブラとクリームのものでしたが、ダブルクリームはその後、シャークに移植されています(ボビンに孔が空いていません)。

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 こちらは、ボビンに孔があるのでディマジオのスーパーディストーションでしょう。マグネットは、P.A.Fのものに替えているとの発言もありました。

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こちらのゼブラカラーのピックアップもひょっとするとマイティマイト製かもしれません。

Black & White Franky

白黒フランケンが、誕生したのはいつか、1stアルバムのレコーディングに使われたのかについては、謎が多いです。

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公式には、1978年2月10日発売のアルバムジャケット 、もしくはプロモーションフォトでの写真が初登場になると思います。この写真は、年末のウィスキーアゴーゴーのショー時に撮られたそうです。

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確認されている一番古い写真が、ローカル雑誌と10月15日のライブ告知の写真のようです。二つの写真は僅かな違いがありますが、9月16,17日のウィスキーアゴーゴーと撮られた写真のようです。

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 ボリュームノブの他にトーンノブが見られますし、ストラップもチェーンタイプです。また、ピックアップはブラックなので、P.A.F.の可能性が高いと思われます。

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 こちらは、10月の写真ですがノブは2つ確認できます。

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ヴァンヘイレンの1stアルバムのレコーディング日は、1977年の8月31日から9月8日ということが、マスターテープの日付により確認されています。有名なワーナーブラザーズでもは、10月26日、27日のレコーディングと言われていましたが、5月末の契約後の6月もしくは7月と考えるのが妥当ではないでしょうか。レコーディング後に白黒ペイントしたと考えると、ペイントは9月9日から9月15日の間になります。さて、白黒ペイントはレコーディング前の8月頃だったのでしょうか。

Charvel

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フランケンストラトは、ウェインシャーベルのお店で購入したボディとネックを組み立てて造られたと言われています。当時のカタログですが、1977年5月となっており丁度、ブラックストラトを使われていた時と同じ時期です。丁度、その頃に発売されたのでは無いかと思われます。広告では、シャーベルブランドとなっています。

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1976年にウェインシャーベルとリンエルスワースは、ブギーボディーズで交換用のボディとネックの発売を始めました。有名な亀のマークは、元々はリンさんのものだったようですが、ケンワーマスが1980年に立ち上げたワーマスギタープロダクツに引き継がれています。

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リンエルスワースは、シアトルでアンティーク家具を作っていましたが、ウェインシャーベルがエキゾチックでストラトのボディの製作を持ちかけたとのこです。フェンダー製と僅かに異なるボディシェイプは、シャーベルの所在地にちなんでアズサシェイプとも呼ばれています。

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12フレットのポジションマークが狭めのラージヘッドは、初期フランケンそのものにように見えます。

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 ボディとネックを組み立てる前に、フェンダーストラトに無塗装のボディを取り付けて使用していたことがあったようです。ピックガードは、白黒フランケンと同じもので、ピックアップは、ゼブラのマイティーマイトのようです。ボディ材は、木目の感じからアッシュのように見えます。その後、ネックを取り付け白黒ペイントしたのではないでしょうか。

Black Rosewood

 フェンダー製のサンバーストストラトの後に確認されているのが、ブラックボディにローズウッド指板のストラトキャスターです。白黒フランケンの目撃が77年後半ということもあり、この状態で1stアルバムがレコーディングされたとする説が有力なようです。

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雑に切り取られたピックガードはそのままで、ピックアップがダブルクリームからゼブラに交換されている以外は、フェンダーのサンバーストとほとんど同じようです。

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ノブは、白いスピードノブ2つからストラト用?の1つに。恐らく結線されていないと思われるピックアップセレクターの位置は、ブリッジ側。センターピックアップは、ネジが取れてるのかずいぶんと斜めですね。ストラップは、普通のレザー製のようです。

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ブラックボディのストラトは古いタイプのピックガードで、ビスの位置がその後自作ピックガードや白のピックガードとは異なります。

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そして、フランケンには、古いピックガードのビス穴の跡が残っていることから、ブラックストラトは白黒ペイント前のフランケンのボディである可能性が高いと思われます。

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 果たして、フランケンのボディは、フェンダーのサンバーストのリペイントなのか、それともブギーボディーズ製でブラックのストラトは普通のストラトに戻ったのでしょうか。